こんにちは。からあげです。
暇人同士の会話は、留まるところを知らずに際限なく続いてしまう。思い出すと会社を辞めて山林探しの旅に出発した5年前、長野県松本市の島々の奥の駐車場で、バードウォッチングが趣味の夫婦と2時間以上も話したのを思い出す。いやあ、あれは長かった!
会社勤めだったころは、見知らぬ人と話すことはほとんどなかった。顔見知りでさえ、必要最低限の話ししかしなかった。
それがどうだ、今では馬鹿みたいにいつまでも話してしまう。今日のロードのおじさんとの会話もかなり長かった。おそらく2時間は話していただろう。途中で疲れてきたのだが、おじさんがまだまだ話し足りないみたいに話すものだから、云々と相づちを打って聞いているうちに、気がつけば夕方になってしまった。
昨晩泊まったのは、サイクリングロード途中の駐車場公園。
見事な東屋が7つも続いているのを見て、泊まらずにはいられなかった。久しぶりに胸の高鳴りを感じてしまったではないか!
まあ、居心地はというと、夜間でも車の出入りがあって落ち着かなかったが、高性能耳栓をして眠ったお陰で朝まで熟睡することができた。
耳栓をして眠ることができるのは、治安が良い日本だから。治安の良さは、普段気にすることがないが、外国にゆくと有り難みを非常に感じる。普段、職務質問されて腹立たしい思いをしているが、日頃警察官が不審者を調べているからこそ、治安が保たれていると言える。これからは、警官にもっとフレンドリーに接することにしよう。
テントは立てずに寝袋のままで眠った。多少湿っぽくなった程度で問題はなし。夜はかなり冷えたが、インナーシーツを使用しているお陰で、寝袋が汚れずに保温力を維持してくれている。
生活感溢れる自転車
この生活臭さが、人を寄せ付けずに、野宿の安全に一役買っている。真っ黒に日焼けしたこ汚いおっさんに近寄ってくる人間はまずいない。
昨日はトレランシューズを手に入れたあとは、ほとんど漕がずにのんびりしてしまった。今日の予定は雌阿寒岳登山に備えて、その麓にあるオンネトーキャンプ場だ。グーグルマップで調べてみると、およそ80km。アップダウンを考えると、早めに出発した方がいいだろう。
4時に起床して6時前に野宿場所を出発した。
釧路阿寒自転車道をゆく。
釧路湿原内を通っているところで、付近には原野が広がっているだけ。かなり寒いので、長袖とウインドブレーカーを着ている。ここ最近、朝晩が冷えるようになって、ようやく道東らしくなった。
ロードのおじさんが言うには、釧路は寒流の影響で夏でも寒くてセミがいないという。そう言えば、最近セミの鳴き声を聞いていなかったな。
サイクリングロードは、一部路面状態が悪い区間があったが、本州にはない真っ直ぐな道を走ることができて、十分楽しむことができた。
終点の中央公園。民家に囲まれた集落内の公園で、屋根付きの屋外ステージの上で休憩したのだった。昨日ここで眠れば良かったと思ったのは言うまでもない。
阿寒の町から国道240号線に出て、阿寒湖方面に向かう。
大型の交通量が多くて緊張を強いられた。
中仁仁志別
なかににしべつ。思わず吃ってしまいそうな地名だ。本当に北海道の地名の読みは難しい。
牧場の片隅にあるバス停で休憩する。
周囲の牛舎から牛の鳴き声が聞こえてくる。
途中、シマスリが進路上に飛び出て来てそのまま動かなくなったり、下りの途中に片側交互通行で止まって待つことになったりして、自分の思い通りの走りが出来なかった。イライラするようになった時は、早めに休憩してリフレッシュする。
休憩をとって気分を切り替えてから走っていると、前方に雄阿寒岳が見えてきた。朝方は雲に覆われていたが、次第に雲が晴れて快晴になってくれた!
これだから自転車は止められない。(というか車を売ってしまったため、止めるに止められない状況となっている。)
ようやく阿寒湖に到着!
まずはネイチャーセンター前の公園で休憩する。
お盆前のため、もう少し混んでいると思いきや、かなりガラガラの状態だった。中国人もいることにはいるが、なんだか少ない気がする。
ネイチャーセンターを見学する。
ええと、これは何だったかな?キレイな小魚が元気よく泳いでいた。
そしてこちらが阿寒湖名物のまりも。
なぜだか透明のプラスチックケースに入れられている。掃除する時、回収するのが面倒だからか?
阿寒湖の遊覧船乗り場前で記念撮影。
本当に人が少ない。なぜ阿寒湖には観光客が少ないのか?
まりもっこりという変なキャラクターで人気が復活したと思いきや、すでにその効果はなし。やっぱりまりもだけでは人は来ないのか?
湖畔に遊歩道があったので歩いてみた。
終点にはボッケという火山性ガスが出ているところがあった。水琴窟みたいな良い音がして面白い。
白い砂浜と青い湖、南の島のリゾートを思わせる風景。
阿寒湖周辺の温泉街をゆく。なんと町の中にツルハドラッグがあった!看板は周囲に溶け込むように茶色基調となっていた。
それにしても人が歩いていない。時々、結構なスピードの鬱陶しい車がやって来るのみ。やっぱりね、温泉街に車は邪魔。のんびりと自転車に乗っていられない。
ホテルや旅館が立ち並んでいるのに、観光客が圧倒的に少ない。これはかなりヤバイ。どこもかしこも閑古鳥が鳴いている。
国道沿いのセコマでお買い物♪
一応天気待ちも考慮して2日分の食料を購入した。この山の中で食料を手に入れられるというのは、非常に有り難い。
セコマ買い物かご貸してくださいというと、必ずと言っていいほどどうして?という顔をされる。自転車で持ち逃げなんてできないよ!
買い物する度に袋に入れて貰うと、袋だらけになってしまう。単に運ぶだけなのに袋は要らない。今度マイバッグに入れてもらおうか。
阿寒湖で十分休養をとったあと、再び走り始める。国道240号線から国道241号線に折れる。
足寄峠を越えると下りになって快調に飛ばしたが、オンネトー方面の道道949号線に入ると、どこまでも続く上り坂となった。一番軽いギヤにしてシャカシャカと漕ぎ続ける。
前方には木々の合間から雌阿寒岳が見えた。
3年前の前回は、火山活動が活発化のため、入山規制が掛かって、登ることが出来なかったのだ。現在は規制が解除されて登山できるようになっている。
オンネトー湖畔で記念撮影。
湖を吹き抜ける風は、驚くほど冷たい。火照っていた体が急に冷やされて寒くなってきた。
左が雌阿寒岳、右が阿寒富士。
今日のねぐらは、オンネトーキャンプ場。静かな湖と森に囲まれたキャンプ場だ。サイトは吟味に吟味を重ねて、ファミリーキャンパーから最も遠い場所にした。
あとからソロキャンパー2人が来たが、それぞれ静かで全く気にならなかった。
サイトを物色している時に、ファミリーキャンパーたちの驚くべき会話を耳にしてしまった!
「おたくはどちらから来られました?」自称アウトドアの達人が隣にやって来たキャンパーに挨拶。
「関東某所からファミリーで!」と満面の笑みで答えるアウトドア用の衣装で身を包んだおっさん。
ファミリー!!
この世にファミリーという用語を自然に使う人がいるとは思わなんだ!ビックリ。ファミリーコンピュータ以来じゃないかな。
倒木の上を歩いて写真を撮りにゆく。
湖畔からでは木の枝が邪魔になってしまう。
オンネトーの夕日
もう少し待てば良かったのだが、早く撮って飯にしたかった。
晩御飯はレトルトのキーマカレーともやしの味噌汁。
最近、キーマカレーというのにハマっている。ブロック肉の代わりにミンチが入っている。それに、なんだかコッテリしていて美味い。
湖畔のキャンプ場のため、蚊が多いのを覚悟していたが、最近冷え込むようになったためか、蚊はあまり居なくて外で煮炊きすることができた。
テントの中で食事をすると、カレー臭がテントに染み込み、野生動物を引き寄せることになる。
ヒグマは滅多に現れることはないが、キタキツネは本当によく見かける。何でも管理人さんが言うには、去年テントに食べ物を置いて登山に出かけた人はおろか、夜間テントに中にパンを置いて眠っていた人がキツネにテントを破られてしまったらしい。
なんとも恐ろしい!
私は羽幌で外に置いておいたクロックスをキツネに持って行かれそうになったし、カバンを漁られそうになった!
買い出しした2日分の食料に加えて、米やカロリーメイトがあるため、手持ちの食料をベアキャニスターに全て収めることができない。
そこでベアキャニスターの収納袋に入り切らない食料を入れて吊るすことにした。
高さ2mほどの位置に水平に張りでた太い枝がある木を探したがどこにも見当たらず。仕方無しに東屋の梁に吊り下げておいた。
首吊り死体だと思ってドッキリする人もいるかもしれない。
これだと頭を使えば、取られてしまうかもしれないが、キツネはそれほど頭が良くないはずなので、こんな感じにしておいた。
クマにこれだと高さが全く足りないし、結んだロープを切られてしまうのでダメ。まあ、アホなキツネ用の吊り下げ方法だ。
さあて、食料をテントの外に出したことだし、寝るとしようか。
明日は雌阿寒岳登山だ!
おわり
コメント
キツネは凶暴なので、食材はテントから出して、吊しておくのは、大正解だね!
昔、ニセコのキャンプ場で、モンベルのゴアテントの中に、夕方のほんの数十分間、食材をいれたら、テントを破って食材を持って行かれた。
テントは、直径30センチの穴が開いて、電話でVL22を東京のさかいやスポーツに送って貰ったことが有ったよ。
キツネが悪いのではなく、人間が食材を山中に捨てるから、こういう事が起きる。
食材の管理は、とっても大事だな。
はい、北海道では食料の管理が重要です。
何も知らない本州の人間が食料を取られています。
取られるだけならいいですが、テントを破られるとなると、野宿者とって最も気をつけなければならないところです。
周囲の人間は結構いい加減で見ていて腹が立ちました。