隣の天売島

こんにちは。からあげです。

 

昨晩も雨が降ったが、朝になると雨は止んでくれた。
自転車旅では、テント撤収からパッキングまでが一番気を遣う。雨に降られると荷物が濡れてしまう。走っている最中は、多少雨が降っても、体が濡れるだけなので、実はそれほど困らない。

焼尻島に2泊して十分堪能したので、今日は隣の天売島(てうりとう)に行くことにした。フェリーの時間までかなり早いが、雨の止み間にテントを撤収して出発した。そしてちょうどキャンプ場を出発したころから、ポツポツと雨が降り始めたのだった。なんというタイミングだろうか!あの時、二度寝の誘惑に負けていたら、今日の出発は見合わせていたことだろう。

牧場の前を通りかかると、羊が道路の近くで草を食べていた。
自転車を停めて近づいてゆくと、食べるのを止めてこちらのようすを不安そうに眺めていた。

その後、雨が本降りになってきたので、寄り道せずにフェリーターミナルに直行して待合室でただぼーっとしてフェリーを待った。

1時間半ほど待つとようやくフェリーがやって来た。
フェリーは焼尻港に寄ったあと、直ぐに隣の天売島に向かうため、雨の中自転車を駐車場の方に回しておいた。

雨が降っていたので、2等船室に行ってゴロ寝していると、あっという間に天売島に着いたという船内放送が流れた。車両甲板に下りてゆくと、自転車が毛布に包まれて壁に立て掛けられていた。係の人にロープを解いて貰って下船する。

天売島フェリーターミナルにて

雨は次第に小降りになってきていて、間もなく止みそうになってきた。それでもカッパの上だけ着てキャンプ場に向かう。

海の宇宙館でキャンプ場の受付をしようとすると、なんと受付はフェリーターミナルだった!キャンプ場に荷物を置いて空荷でフェリーターミナルに戻る。

中に入ると、なんとストーブを焚いていた!それほど寒くはないのに、なぜストーブなのか?イマイチ道民の感覚が分からない。

海の宇宙館裏のキャンプ場

集落の中にぽつんとあるキャンプ場。焼尻島同様に蚊やブヨがいなくて非常に快適。

ロンババの浜

以前はこの海岸で無料でキャンプできたようだが、今はトイレと更衣室があるだけで水道の設備が見当たらない。
天気の良い日は海水浴するのにいいだろう。

今日はとりあえず島内一周してみることにした。
2泊の予定だが、気分次第では1泊で帰ることにする。今はなんとなく1泊で帰りたい気分だ。

集落を抜けて島の西側の海鳥の繁殖地を目指す。

前浜漁港を覗いてみる。すると、小さな漁船が船揚場に揚げられていた。

漁船には先がこのように尖った長い竿が数本積んであった。これはウニをとるためのものと思われる。(後日、ウニ漁に使う道具と判明した。)先の形状が微妙に違う。

焼尻島と同じく天売島は一周11kmほどの小さな島のため、のんびり自転車を漕いでゆく。

雨は上がって蒸し暑くなってきた。

道路上でウミネコが休んでいた。
驚かさないようにゆっくり近づいてゆくと、 数羽逃げない奴もいた。

路面は糞で白くなっている。

赤岩灯台に到着!

この付近は海鳥の繁殖地となっていて、多くの海鳥を観察することができる。

草の茂みの中にはあちこち無数に穴がある。なんだこれは?

草の生えていない場所にも無数に穴がある。

展望台で海鳥を観察していた人に話を聞くと、ウトウの巣穴だということだった。夕方になると一斉に親鳥が巣に帰って来て大変な賑わいをみせるという。

絶滅危惧種のオロロン鳥という珍しい鳥を双眼鏡で見せてもらった。かなり遠くにいて肉眼では、全く他の鳥と区別がつかなかった。なんでもペンギンに似た鳥ということだ。

羽幌町の道路脇にオロロン鳥の像が設置されていた気がする。

さらに自転車を走らせて野鳥観察小屋にやって来た。
ここには50倍の双眼鏡が設置してあって無料で見ることができる。

双眼鏡でオロロン鳥の巣穴を探してみたが、どこにも見つけることはできなかった。素人には見つけるのは難しいと思った。

キャンプ場で泊まるより、この観察小屋で泊まりたいと思ってしまった。やはり断崖の上に立つ小屋は男心をくすぐる。

いつかはこんな小屋に住みたいものだ。水が困るだろうが、雨水を貯めて、どこかに汲みに行けばいいだけだ。

観音岬展望台からの景色

先ほどの海鳥観察小屋のある方向。

ゆっくり回っても2時間ほどで島内一周をしてしまった。
キャンプ場に戻ってくると、テントがいくつか増えていた。

夕方ウトウの帰巣のようすを見学するため、ゴロゴロして過ごして英気を養う。

日没前にキャンプ場を出発して赤岩灯台に向かった。さあて、そろそろ準備して行こうか!ついでに夕日も眺めよう!!

 

おわり