こんにちは。からあげです。
会社を辞めて早6年。まさか自分にこんな感情が沸き起こるとは。
仕事をしたい!
最近、何をやっても楽しくないのは、しっかり真面目に働いていないからだとようやく分かった。サラリーマン時代は嫌で嫌で仕方がなかった仕事も、フリーとなって好き放題するようになってからは、ふとした時に虚しくなることがあった。
今回、オーストラリアまでやって来て自転車に乗っているというのに全然楽しくない。景色に慣れて新鮮味がなくなったのもあるが、もっと根本的なこと。好き勝手やって生きてゆくのがつまらなくなった。何をしても自己満足の世界で、裁縫が上手くなっても誰かに褒められる訳でもなく、一人ニンマリと作品を見て喜んでいるだけ。
山小屋は建てている時が一番楽しかった。日々、寸法狂いを誤魔化すことに頭を悩まし、次第に形になってゆく小屋を見るのが喜びだった。それが小屋を建ててしまうと、一気に関心をなくしてやる気がなくなった。それでも小屋で住み始めた当初は新鮮味があったものの、次第に慣れていくにつれて小屋に寄りつかないようになってしまった。
今は広大なオーストラリアで日々ペダルを漕いで走っているが、移動することだけで精一杯で日々を楽しむ余裕さえない。このままの状態でツーリングを続けても、金と時間の無駄になる。そう思って、日本に帰ることに決めたが、空港に行くまでも遥か遠い。Cairnsまでおよそ4,000km。頑張って走っても確実に1月以上は掛かる。もう頑張る気は全くないので、2月掛けて行く予定。
帰国したら真剣に仕事しよう。思いがけずそんなことを決心した。人間一人だけでは生きていけない、これまで何と陳腐な言葉だろうと思っていたが、まさにそのとおりだった。私一人だけでは、生きてゆく楽しさを見いだせない。社会貢献してこそ楽しく生きられる。おっさんはようやく大人になった。
今日からいつものように3時の早起き。夜明け前は涼しいうえに風が弱くて走りやすい。
ゴールデンタイムを逃すほどのゆとりはなし。日の出前に距離を稼がなくていつ稼ぐ?
ナラボー平原の時は寒さで凍えながら走っていたため、日の出を迎えると嬉しかった。一方現在は日の出を迎えると暑くなって風が出てくるため、できることなら夜が明けないで欲しい。
淡々とペダルを漕いで距離を稼ぐことで日本が近くなる。
今は余計なことを考えるな!だたひたすらにペダルを漕げ!!
道路脇の事故車両。
おや、ようすが何か変。
トランクの荷物を物色された気配あり。
治安が良いとされるオーストラリアでも結構盗人はいる。
広大な大陸をカバーできるほどの警察官がいない。
Bigな野郎が来やがったぞ!おお、今回はなんだ?
巨大なダンプカーの荷台?でもなさそう。
長距離バスのグレイハウンドオーストラリアは赤い車体。後ろには荷物を載せるトレーラーを引っ張っている。
バスワープする誘惑を振り切って走り始めた。単に飛行機よりも運賃が高かったという理由が大きい。
その後に現れた道路工事の区間がやけに長かった。おそらく20km近い。今回はコーンの内側をマイペースで走らせて貰った。後ろには警戒車が付くというVIP待遇。
舗装部分が中央に1車線分しかない。
工事区間を抜けて一安心。ふぅ〜長かったな。
それにしても、自宅から通う作業員が大変そう。毎日200km以上車を運転して。
暑さを逃れるために、レストハウスに寄る。
おお、大きな東屋があるではないか。
コンクリートで作られたピクニックテーブル。ひんやりして気持ちいい。
何と薪で焼くBBQコンロが設置されているではないか!ここまで来るとオーストラリア人のBBQ好きは病気。
地味に怖い砕石を撒かれた斜面。道路外に逃げることができない!
居眠り運転の車が突っ込んで来たら?知らねーよ。そんなもん。轢かれるくらいなら、転倒覚悟で砕石に飛び込むしかなかろう。
焦げ臭いブッシュファイヤー現場。
要するに山火事のこと。雨が降らないためか、いつまで経っても消えないらしい。
今もなお燃えている箇所があった。
Broomeを出てから道路脇にバオバブの木が見られるようになった。
こんな立派なバオバブまである。
雨の降らない冬は葉っぱを落として活動停止しているようす。
なんと賢い!
蟻塚の色が変化している。材料の現地調達が基本の蟻たち。
向かい風は強いし、暑くなってきたので、木陰に自転車を止めて休憩することにした。
自転車カバーを敷いてラーメンタイム。
いつもと変わらぬ風景。
鬱陶しいハエがいないのがいい。
最近、不調になることが多いガソリンストーブ。大きいボトルは燃料が減ってくると、ポンピングの回数を増やして圧を上げる必要あり。
ポンプカップがヘタってきているためか、圧を上げにくい。燃料を入れてやって多めにすると問題なし。本当に困った奴だな。お前は。
特製ラーメンの完成!
変わらないおっさんの味。
木陰で休んでいたら、Uターンして戻ってきた親子に水を貰った。水は余裕があってもらう必要は全くないのだが、わざわざUターンしてまで来てくれたので、ちょうど水が欲しかったような顔をして水を貰った。嘘が嫌いなおっさんだが、こういう嘘なら悪くはなかろう。
この、大根役者め!
謎の巣穴。いったいどんな生物が住んでいるのだろう?
暑くて穴の中に引きこもっているようす。
木陰が気持ちよすぎる。
目を閉じると、一瞬で意識が飛んだ。
朝早起きしているから、眠たくなるのは当然だ。
長い昼休憩のあとしばらく走っていると、道路脇に臭う場所を発見!奥に入ってゆくと、いい感じの場所だった。
ただし、香ばしい牛糞の香り付き。
3時過ぎ木陰にテントを張って休む。
無理をしない。早めに休んで体力回復。おっさんはおっさんなりに行動せねばならない。