【西日本ツーリング2020】薩摩川内から牛深まで

こんにちは。からあげです。

 

鉄塔近くでの野宿はあまり快適とはいえなかったが、しっかり休んで体力を回復できた。

50前になって特に感じるのは回復力が落ちたということ。30くらいまではどんなに疲れていても一晩眠れば、体力がほぼ全回復していた。だがここ最近は無理をすると、翌日以降に深刻な影響が出るようになった。そのためあまり無理をすることがなくなった。

今回の西日本ツーリングでは、一日の走行距離を50kmくらいに抑えてのんびり走るように努めているのは、2インチ幅のタイヤの走行抵抗が大きいためと、歳をとって回復力が落ちてきているため。もちろん体力も落ちている。

ねぐらを出発して国道3号に出る。しばらくゆくと海岸のすぐ側を走るようになり非常に爽快。
空に雲はなく久しぶりの快晴だ。

阿久根の道の駅に寄った際に下着を着替えて洗濯をしておく。
風呂は種子島で温泉に入ったきりで、ここ最近入っていない。天気が良い日に洗濯して乾かして、温泉に入って身なりを整えておきたい。

Tシャツ、パンツ、靴下を洗濯して水切りしたあと、自転車に付けて乾かす。今日の天気なら半日で乾くことだろう。

久しぶりの片側交互通行。長時間待つうちに体が冷えてくる。自転車には辛い。

海岸沿いの国道を快走して阿久根(あくね)に町に近づくと、通勤時間帯と重なり交通量が増えて疲れてきた。そこでJR阿久根駅に寄って休憩する。

木造の駅舎で非常にオシャレ。

トイレ手前の通路は本棚が並び図書コーナーになっている。
これなら電車の待ち時間に退屈することはないだろう。(最近はみなスマホばかりいじっていて本を読む人を見かけなくなったのが残念。それこそ小学生から爺さん婆さんまで。)

田舎の駅とは思えないほど、本棚は充実していた。もう図書館と言えるレベル。
あの懐かしの松本清張の小説も置いてあるではないか。

癒やしのくつろぎスペース。夜間も開放してくれるとありがたいのだが。

なんとピアノまで置いてある。

高価で場所をとる楽器のピアノ。ピアノを弾ける人間は家が裕福なことが多い。
家が貧乏だった私は楽器は縦笛とハーモニカを吹いたことがあるくらい。ピアノやバイオリンを弾けたらさぞ楽しいだろうなと思いつつも、習いに行くことはなし。弾けなくても日常生活で困ることがないからだ。人に直に教わるというのも抵抗がある。良好な人間関係を築かないと、教わることができない。

無人駅で自動券売機が設置してある。
食堂に置いてあるようなもの。ほのぼの感が漂う。

駐輪場は広々としていて、自転車が整然と停められている。駐輪場を見れば、住民のようすがたいてい分かる。

駅で十分休んだあと、国道を逸れて県道をゆくことにした。
交通量がある割に路肩が狭くてストレスが溜まる。日頃自由な生活をしているとストレスにとても敏感になる。ストレスは健康の敵。できるだけ避けた方がいい。

県道に入ると交通量が一気に減ってとても気持ちいい。

途中、海岸によって休憩する。
立派な東屋が設置されている。遅い時間であったなら、ここで泊まったことだろう。

海では多くのサーファーが波乗りしていた。
若者ではなくおっさんばかりでとても親近感が湧いた。おっさん頑張れ。自身と重ね合わせてそう応援した。

天気が良いと、知らず知らずのうちに距離を走っている。いつの間にか長島町へ。
黒之瀬戸に架かる橋を渡る。

交通量が多いので歩道をゆく。
幅がギリギリで神経を使った。

黒之瀬戸を望む。久しぶりの晴天でテンションは最高潮に達する。
いやあ気持ちいい。来て良かったよ。

橋を渡ったところにある道の駅に寄る。
うむ、軒下が広くてなかなか快適だな。

駐車場には大きな龍の飾り物が設置されている。

店内に入ってみると、美味しそうな魚が元気に泳いでいた。
見るだけ見てほかにいく。

道の駅でしょうがを買った。味噌汁やラーメンに入れると味が引き締まる。

道の駅から上がったところにあった公園で休憩する。昼飯には少し早いが、食べれるうちに食べておく。さきほど買ったしょうがをたっぷり入れてラーメンを作る。

黒之瀬戸を見下ろしながら食べるラーメンは最高だった。
風がなければ、東屋付きの公園は野宿に最適。

道の駅を出ると、緩やかな上り坂が始まる。夏と違って冬は暑くならないのが良い。
軽いギヤでゆっくり上ってゆく。

青い海に突き出た小さな半島。こういう景色のよいところに住んでみたいとは思うが、濃厚な近所付き合いが大変そうだと二の足を踏む。実際にものすごく大変そう。田舎は近所付き合いがもれなく付いてくる。私には別荘がたくさんある地域がよい。

巨大なゴジラの飾り物。ひときわ人目を惹いた。

上ったあとには必ず下りが待っている。直線道路を気持ちよく下る。

国道沿いにAコープがあったので買い物をしてゆく。
田舎ではAコープが重要拠点となる。良心的な価格で食料を手に入れられる。

かわいい豚の飾りもの。ブーブー。

長島温泉センターにやって来るも、定休日で入浴できず。
今どき珍しい入浴料300円の温泉だった。

ここでゆっくりしてあとは適当な場所で野宿しようと思っていた。当てが外れてガックリ。非常に残念。

すぐ近くの長島道の駅に寄る。
すると車のキーを閉じ込めてしまったという老夫婦に声を掛けられる。だが私にはどうにもならない。
しばらくしてやって来た修理工場の人の作業をようすを見学した。ドアをバールでこじ開け隙間から細い棒を差し込みドアロックを解錠しドアを開けることに成功した。なんでもトヨタクラウンはセキュリティーが高くて開けるのが大変なのだそう。スズキジムニーなら5分も掛からず開けられたことだろう。

車屋さんが必死になって作業しているようすを見ならが、今後のことを考えていた。
時間はまだ13時を過ぎたばかり。温泉に入りそびれてガッカリ。この先、フェリーで牛深(うしぶか)に渡ることになるが、今日中に渡ってしまおうか、それとも明日にするか。

久しぶりの晴天なのにダラダラ過ごすのは勿体ない。

先に進むことに決めてフェリー乗り場に向かっていると、ちょうどフェリーが出て行くところだった。

今日はなんだかついてない。

牛深行きのフェリー乗り場。
小さな入り江にこじんまりとした建物が立つ。となりに民宿をやっている民家が1軒、奥に何軒か固まった漁村あり。

昼寝している猫を見たら、慌てて先に進むのが馬鹿らしく思えてきた。

のんびり行こうぜ。

すぐ近くの公園でフェリーを待つ。
目の前の海は青くてキレイ。自転車の拭き掃除を行う。

今回の旅で役立ったのは2.4Wの明るいフロントライト。夜間走行でも路面が良く見えて楽だった。
屋久島では登山に出かける度に夜間走行することになってずいぶん助けられた。

走っている限りハブダイナモが発電してくれるので、バッテリーを気にしなくてもよいのがいい。あとになって断線だけには注意が必要だと分かるのだが、それはまだまだ先のこと。

 

南国交通のバス

青空に白いボディーがよく映える。名前がとてもいい。いかにも南国といった感じがする。
鹿児島から熊本に渡る頃になると、暖かい南国感はなくなり、かなり寒くなってきた。

数時間待つとようやくフェリーがやって来た。
私が乗るのは15時20分の便。

運賃は大人500円に特殊手荷物(自転車)260円。お得感が非常にある。

徒歩と2輪が先の乗船となる。
私のほかに2輪車はなし。

車はあとからあとから乗ってくる。見たようすでは地元の人がほとんどだった。
とても乗り慣れたようすで出港間近にやって来る。

私のように出てからやって来るというヘマはしない。

船に乗るとなぜか心躍る。
長島から牛深に渡ると、そこは熊本県。
新型コロナが気になったので外のデッキ上にいようと思ったが、風が冷たくて我慢できずに船内に逃げ込む。

40分ほどで牛深に到着した。
時間は4時前。食料はあるので、あとはねぐらを探すだけ。

車両甲板で着岸を待つ。
実にいい自転車だと自画自賛して時間を過ごす。

重量バランスはバッチリ。左右均等、前側に多めに荷物を積むと、乗車時に自転車が安定する。重たいU字ロックと水は自転車のフレームに付ける。

これが乗船した第二天長丸。白い船体に緑色の線が入っている。

フェリー乗り場は道の駅に隣接した岸壁にあり。
目の前に巨大な道の駅の建物がある。さっそく、施設のチェックを始める。

どこもかしこも屋根だらけ。屋根下スペースが広大で雨天時の避難場所にピッタリだった。

なんと24時間開放の休憩所あり。中は暖房が効いていて暖かだった。

休憩所入り口。

寝心地が良さそうなベンチがある。遅い時間から一晩くらいなら問題ないだろう。
この道の駅には旅人歓迎の雰囲気がある。気に入った。

だが、今日は天気がいいのでほかにゆく。

牛深港でひときわ目立つ、ハイヤ大橋を渡る。橋を渡った下須島に快適な野宿場所ありとみた。

振り返ると牛深の町を一望することができた。
牛深に来たら、是非ともハイヤ大橋を走って欲しい。歩道広々で非常に走りやすく、景色が良い。ただし、風が強いので注意が必要だ。

巨大なループ橋。ミニカーのおもちゃを思わせる。

小さな漁港を見下ろす。
鳥になった気分を味わえる。

グーグルマップが表示する緑の公園を目指して橋の途中で折れると、山の上に見晴らしの良い公園を発見する。なぜか駐車場はなく、近所の人も来ない。まだ明るい5時前だというのに人気がまったくない。やはり駐車場がないというのが大きいのだろう。
水洗トイレがあり水を汲むことができた。重たい思いをして道の駅から持ってくる必要はなかった。

くまなく公園を歩いて野宿場所を慎重に選定する。視線と風を遮る植え込みの陰がベストと判断した。

公園からの見晴らしは実によい。
沈む夕日をみていると、自分が抱えている些細な問題はどうでも良くなってくる。
一日一度は空を見るべきか。

べったりと凪いだ海上。ディーゼルエンジンの音を響かせた漁船が走ってゆく。

日没後、テントを設営。しばらくは変わりゆく空を眺めて過ごした。

今日も夕日がきれいだった。

公園のすぐ近所に、結構な人の出入りがある民家があった。
道路に車を路駐すると家の中に入ってゆく。会社の寮として使われているようす。
彼らの注意を引かないように、不用意にライトを点けないように気をつけた。ほかは公園にやって来る人間もなく静かに眠ることができた。

走行データ

薩摩川内市~長島町~天草市牛深
蔵之元港~牛深 フェリー乗船(大人500円に特殊手荷物(自転車)260円)

走行距離 55km、走行時間 約4時間
ねぐら  牛深下須島のとある公園

 

おわり