小屋暮らし ~最期のぜいたく~

こんにちは。からあげです。

 

年末緊急帰宅2020
こんにちは。からあげです。 新型コロナは一向に収束する気配はなく、第3波に襲われている最中だ。 実家で年末年始を過ごそうか、一時はそんな甘い誘惑に負けそうになったが、私にはやるべきことがあった。 誘惑を振り切り我が家に戻ることにした。 コロ...

3万円の商品券を期限内に消費するというミッション達成のため、いくつもの峠を越えて小屋に戻った私。

スーパーでハイテンションで買い物を済ませ、久しぶりに我が家に帰った。
ただいま!と心の中で元気に挨拶した。

非電化の小屋暮らしでは薪ストーブが欠かせない。
すでに伐採から5年経過し、乾燥した薪が徐々に腐ってきた。

もう先のことなんて考えない。今このときのために薪を燃やす。

しばらく経って火力が安定すると、小屋の中は小春日和の陽気に包まれる。
なんて快適なんだ!

帰宅初日から計画的に商品券を消費する。
A券、B券、C券の3種類は各1万円ずつ。使える店が異なるので、一覧表で探してせっせと買い物に出かける。

おやつの大量買い。まさに大人買いというやつだ!

肉、肉、肉。当時は肉に飢えていた。

シャウエッセンを食べるのは何年ぶりだろうか。

パリパリに焼いてかじる。
飲み物は外でキンキンに冷やしたコーラだ。
久しぶりに飲むコーラはとんでもなく旨い。

鳥の手羽先。粗塩をふって薪ストーブで焼くと飛び上がるほど旨くなる。
滴る肉汁におっさん感激。

豚肉を焼く。まずは切れ目を入れてと。いや、これは切ってしまっているな。

国産豚肉はめちゃくちゃ旨い。
脂の質が違う。

我が家の冷蔵庫。

冬季はバケツに入れて蓋をしておけば食材が傷まない。
しっかりと蓋をして重しを載せておかないと、サルに持って行かれるので注意が必要だ。

冷蔵庫付近で物音がすると、おっさんが勢いよく飛び出していき奇声を発する。
どうだ驚いただろう。おっさんを舐めるなよ。

タッパに入れた冷や飯を取り出し何を作るのか?

キムチチャーハンと具だくさん味噌汁。

いやあ、本当に美味かった。

食材がなくなると急に質素になる。(笑

ようし、買いものに行くか!

これが愛車のサーリー ディスクトラッカー。
寒さに凍えないようにいつも小屋に中に入れている。

外出する時は厚着をして出かける。

食っちゃ寝を繰り返した当時。
本当に至福の時間だった。

初めてかもしれない。こんなに満ち足りた気持ちになったのは。
天気の良い昼間はソーラーパネルの電気が有り余るので、ノートPCでAmazonプライム・ビデオを観まくる。

小屋内は亜熱帯を超えてもはや熱帯。Tシャツ1枚でも汗ばんでくる。

あるとき読者の方から蜂蜜と石鹸、もち麦が送られてきた。
どれも体と地球に優しいもの。

とろける甘さの蜂蜜だった。それでいてクドくない。
1つの瓶にスズメバチがまるごと1匹入っていたが、ハチを食べる勇気は出ず。

ほかはすべて美味しく頂きました!ありがとうございます。

いちおう大晦日は年越しそばを食べた。
小屋でそばを食べたのは初めてだった。

いやー、あっさりして美味かった。

天気の良い日は遊んでばかりはいられない。
やることをやってしまう。

まずは洗濯。氷水のような冷たい水で洗って、外に干して水切り。
すると干したまま凍ってしまうので、小屋に取り込んで乾かす。

いきなり小屋の中で干すと滴る水でベタベタになる。

薪棚の整理

ぶいぶんと落ち葉が溜まっていた。
下の方の腐った薪を出して、中身の詰まった良質の薪を積んでおく。

スカスカの薪が多くなったものの、まだまだちゃんと暖をとることができる。
暖かければなんだっていい。

初めの頃の水分たっぶりの薪のことを思えば数倍まし。

落ち葉をかき集めて燃やす。
処理しないと落ち葉だらけでふかふかして歩きにくくなる。

ある日雪が積もった。
翌日天気が回復したので徒歩で出かけることにした。

履き慣れた登山靴。
今残っているのはこいつだけ。
重たい皮の登山靴は処分した。

自転車生活では重たい登山靴を履いての登山はする気がおきない。

サクサクと雪を踏みしめて登ってゆく。
スマホ、地図は持たず、防寒着と水、食料のみ持つ。

日頃、あちこち歩き回っていたので地図は不要。

凍った滝

この滝もこれで見納めとなった。
静かな周囲に自分の足音しか聞こえない。

小屋に戻るとすぐに食事の用意を始める。
出かけるときに薪を放り込んでいったので、まだ種火が残っていた。

待ち時間に落花生を貪るおっさん。

結局、食べ物だけでは商品券を使い切れそうになかったので、指定ごみ袋を買ってなんとか使い切った。有料ごみ袋なら貰い手はたくさんいる。

今思い出しても夢のような感じのする最後の贅沢だった。
心が十分満たされた。私の小屋暮らしの欲望は昇華されて消えていった。

 

すでに山梨の小屋を手放していて、現在小屋暮らしはしていない。

またその辺のことは気分が乗ったときに書いてみようか。

もう、物質や時間、金なんかに執着している場合じゃない。真実を知ること、そして自分を高めることが重要だ!