こんにちは。からあげです。
焼尻・天売島で3晩のんびり過ごしたあとは、午後からの80kmの激走が待っていた。久しぶりにまともに漕いだので、元気いっぱいだったが、暑くて暑くて仕方なかった。
早く寝転がって休みたいので、さっさと記事を作成してしまうことにしよう。
昨晩は、天売島名物、ウトウの帰巣を見学するために、日没前にキャンプ場を出発して赤岩展望台までやって来た。
ウトウとは鵜の一種で、夕方になると、魚を咥えて雛が待つ巣に帰って来る習性があるという。赤岩展望台周辺には、ウトウの巣が無数にあってあちこち穴ボコだらけになっている。
無残にもウミネコにやられてしまった雛。翌日、カラスに食べられてしまう。翌日行ったら、雛の姿はなかった。
魚を咥えて戻ってくる親鳥をウミネコが巣穴の前で待ち構えていて、戻って来ると何匹も飛びついて魚を奪おうとする。親鳥も決死の覚悟で戻ってくるため、周辺ではウミネコとウトウの激しいバトルが展開されている。無事雛に魚を届けられるか、はたまたウミネコが魚を奪ってしまうのか?
なぜ、ウミネコがウトウの魚を奪うのかというと、ウミネコは潜って魚をとるのが苦手なため、潜りが得意なウトウの魚を奪って食べるらしい。近くのガイドがお客さんに話しているのを聞いた。
カメラには写すことは出来なかったが、凄い数のウトウが戻って来ているところ。
まっすぐ巣穴にやって来てダイブするもの、手前で下りてダッシュで巣穴に飛び込むもの、何食わぬ顔をしてヒョコヒョコ歩いて巣に戻るものなど、さまざまなウトウがいる。
魚を狙っているのは、ウミネコだけでなく、魚を取られたウトウも狙っていたりする。草の生えていない地肌むき出しの丸坊主のところにウミネコが固まって待ち構えている。
ウトウは80万羽という膨大な数のため、巣穴の場所でさえ選べないものもいるのだろう。可愛そうだが、自然界は厳しい。人間界も厳しい。
私のイメージではもっと凄い大群でひっきりなしに戻って来ると思っていたが、それほど多くはなかった。「たったこれだけか!」と内心思った。天売島観光大使をしていて、口に出そうものなら、即クビになるのは間違いないだろう。
それでも見応えはあると思う。結局、私が一番最後まで見ていた。
ウトウの親鳥
雛に魚を持ち帰るという仕事を終えた親鳥。疲れたようでジッとしている。
ウトウの雛鳥
雛鳥は全然警戒心がなくて、ズームせずとも近づいて撮影することができた。親を待ちきれないのか、はたまた魚だけでは物足りないのか、道路上にもたくさんの雛が歩いていた。
キャンプ場に戻ったのは夜の9時過ぎ。
シュラフに潜ると耳栓をしてさっさと眠った。
昨晩遅かったが、いつもどおり目が覚めてしまったので、5時過ぎに活動を開始して準備を整えた。
予定では天売島にも2泊するつもりだったが、翌日の日曜が雨のため、1泊のみで引き上げることにした。
天売港の朝のようす
フェリーの出港時間まで随分時間があるため、島内一周をして景色のいい公園でうみねこをやって過ごす。
天気は下り坂で、朝から空は分厚い雲に覆われていた。
港ではブルーシートタープの下で、賑やかに何やら作業をしていた。なんだろう?行ってみることにした。
するとそこでは水揚げされたばかりのウニの選別作業をしていた。ウニは鮮度が命、生食、冷凍用に分けられたウニはトラックでどこかに運ばれて行った。
作業している人は皆、ウニのトゲが刺さらないようにゴム手袋をしている。
美味しそうなウニ
北海道にいるうちにウニを食べておきたいな。
待ちに待ったフェリー「おろろん2」がやって来た。
乗船手続き前に作業員がやって来て私の名前を言うもんだからビックリしてしまった。ここは雛見沢か!
フェリーの場合、自転車は1区間850円で運ぶことが出来てお得。高速船はフェリーより運賃が割高だが、輪行袋に入れれば、無料で乗せることができる。日帰りサイクリングする時は、高速船を使うといい。
フェリー船内の案内放送が、昭和の雰囲気がプンプンと濃厚に漂うもので、昔実家周辺の路線バスの案内放送の人の声と同じだった。多分、当時はあの声が品があっていいと思われていたに違いない。
昼過ぎ、4日ぶりに羽幌の町に戻ってきた。
フェリーターミナルからコープに直行して食料を補給する。
また店内でポイント10倍としつこく流れていて、いつまでもポイント10倍と脳内に残ってしまった。恐るべしコープのポイント10倍攻撃。
ウインナーのあとは焼きそばパンを食べる。
今日はこのあと寄り道をするため、たらふく食べておく。自炊する時間はない。
目的地は羽幌炭鉱跡。
羽幌市街から道道747号線を走って山の方にゆく。
市街地で水を汲むつもりがどこにも水を汲める場所は見当たらなかった。フェリーターミナルのトイレで汲んでおけばよかったのに!
おっさん痛恨のミス。
市街地を抜けると、民家が散在するだけの寂しい場所になった。
昼から晴れ間が覗くようになって蒸し暑くなってきた。水の消費量がいつになく多い。
道路脇から立て看板が見えたので、行ってみると奥の方に道が延びていた。なんだろう?と思いつつ歩いてゆく。
周囲に民家はないため、熊避けの鈴、ベアスプレー、自転車ヘルメットを装備した。
ヤブの中から廃墟が現れた!
鉄筋コンクリート製の建物だが、朽ちてあちこちがボロボロになっている。
ボロボロに錆びた鉄筋にコンクリートの塊が付いている。
いつ落ちてくるか分からないため、建物に近寄るだけでも危険だ。
ここは小さい子供を連れていくような場所ではない。あちこち落とし穴のような穴もある。非常に危険。
背の高い建物を見上げる。
廃墟マニアには堪らない場所だろう。見応えのある廃墟があちこちにある。私はそれほど興味はないので、遠目で見るだけで十分。
だったら何で来たんだよ?自分でもよく分からない。
道路標識には築別炭鉱との表示あり。あちこちに散在する炭鉱跡をまとめて羽幌炭鉱跡と呼んでいるようだ。
炭鉱アパート
建設当時は洒落た建物だったとか。今は見る影もない。周囲は昼間なのに不気味で、ソンビかエイリアンが出てきそうか気がする。
このアパートの玄関の軒下での野宿は勘弁して欲しい。ここは嫌。本当に何かが出てきそうな気がする。
発電所の煙突
これは見応えあり。まだ鉄ハシゴが残っている。
ヤブと湿地に阻まれて、発電所跡には近づけず。突破するには長靴が必要だ。
西部警察でこの煙突を爆破すれば、より迫力があって良かっただろう。あちこちの廃墟を爆破しまくってキレイさっぱり片付ける。
羽幌鉱業と消えかかった看板
もう少しゆっくり見たかったのだが、ゆっくりしている暇はなかった。今晩から雨が降るため、できれば軒下で野宿したい。
天売島で2泊目を泊まらなかったのは、快適な軒下がなかったため。
キャンプ場から上がった公園に東屋があったが、トイレと水場がなかった。
人口の少ない島内での野宿は難しいと判断し、北海道本島に戻ることにした。
今日は暑くてバテバテ。道路脇で休憩する。
ペダルで自転車を支える停め方はコツがいる。何度も微調整してようやく停めることができた。
歩道の段差に座って膝を休める。
今日の目的地は初山別(しょさんべつ)。ここに行けばなんとか、軒下にありつけるだろうと思った。
最近、おっさんの野宿センサーの感度が増してきて非常にいい感じになってきた。地図を見て現地に行けば、敏感な嗅覚が軒下を探し出す。
公園の水道で水を補給する。
ビックリするほど不味い水だが、贅沢は言わない。
この形状の蛇口は飲用可の水道だろう。
まさか、汚水が出てくるわけがない。
3年前、公園の水道で水を飲んでお腹を壊したため、少し敏感になっている。
公園の片隅にほぼ理想的な野外音楽ステージを発見した!
なんという幸運だろうか。神に感謝しよう。ここなら大雨が降ろうともなんともない。明日は雨だからイベントもないだろう。
ここなら凄く快適な一夜を送れそうだ。
キャンプ場で泊まると面白みが全くない。野宿研究家の私としては、できるだけ多種多様な場所で野宿に挑戦してみたい。やっぱりね、安心安全は面白くない。
野宿について語りたいことがたくさんあるので、また機会を設けて書くとしよう。
今晩はこの辺で。
おわり