こんにちは。からあげです。
昨日の雨は本当に堪えた。ようやくねぐらを見つけたと思ったら、すぐに追い出されて再び雨の中を走ることになった。その時の惨めな気持ちはと言ったら。もうあんな目に遭うのは懲り懲り。
ねぐらの軒下自体は広くて快適だったのだが、夜遅くになっても人気が絶えずかなりのストレスが溜まった。話し声や叫び声が聞こえると、どうしても身構えてしまう。
幸い何もなく夜が明けたのだが、朝食の準備をしていると、怪しい男が近づいて来て、軽い挨拶をした後に「タバコ持ってる?」と聞かれた。もちろんタバコが欲しくての質問なのだが、タバコは吸わないと静かに答えると、その男は「この辺は変な奴が多いから気をつけろよな!」と言い残してどこかに去って行った。
食事を終えて後片付けをしていると、今度は裸足のおばさんがやって来て、お金を恵んでくれないかと遠回しに言う。私が言葉を理解できないでいると、「10ドルおくれ!」とハッキリ言う。どうしたものか悩み、どうせ酒かタバコを買う金が欲しいに決まっていると思った私は無視を決め込んで片付けを続けていると、「あんたあまり気にすんな。気をつけてな!」と言い、去り際に「タバコ持ってる?」と思い出したように言う。私が首を横に振ると残念そうに去って行った。
サイクリストがタバコを吸わないことに気づかないのが面白い。全く悪気はなく単に挨拶代わりでタバコをねだる憎めない人たちだった。タバコを吸うのなら、気前良く何本かあげるのだが、今度吸うことは絶対にないだろう。タバコを吸うと不健康になるし、高い税金を払うことになるしで、全然いいことがない。以前吸っていたからよく分かる。百害のみのタバコは要らない。
昨日、大雨を降らせた雨雲はどこかに消え去って、青空が覗いていた。朝方、雨雲の切れ端が掛かり、少しの間だけ雨が降った。
3日間晴れたと思ったら、3日分の雨がまとまって降ったような一日だった。
ああ、本当にキツかった。
海岸にルービックキューブのような建物あり。なんとこれはトイレ。
海岸付近のサイクリングロードをしばらく走っているうちに日が昇り暖かくなってきたところで、自転車の整備を行う。
今日は前輪スポークの増し締めとリアディレーラーの調整。
荷物を全て下ろしてから自転車を倒立させて、まずは前輪スポークの増し締めから。荷物を大量に積載できるようにフロントキャリア(サーリーのナイスラック)の天板に100均金網で自作したカゴを取り付けている。使い勝手は最高(いつもの自画自賛)で大幅に積載能力が上がったのだが、荷物を載せすぎのためか、時速25km辺りからハンドルがブレるようになった。
自転車屋さんによると、後輪のスポークは荷物を多めに載せても大丈夫なように強めに締め付けてあるが、前輪の方はあまり負荷が掛からないということで、通常の強さで締め付けてあるとのことだった。Albanyを出てPerthの手前で、ハンドルのブレが気になっていたところで、それなら前輪を増し締めしておいた方がいいとのアドバイスを頂いた。
これから先は無補給区間が長い乾燥地帯をゆくため、水・食料を大量積載することになる。自転車に負荷を掛けることになるが、自転車のことなど気にしていられる状況ではない。必要な荷物を積んだうえで、最大限自転車に気を遣うことになる。スポークの増し締めをするなら、Geraldtonにいる今が最適!
スポークレンチはスプロケット外しにもなる、Uniorのポケットスポークレンチを使用する。ガタツキはなくピタリとニップルにハマってくれる。
増し締めは1/8回転ずつ締め込んでいき4周、つまり1/2回転締めることになる。一気に締め込むとスポークに負荷が掛かるそうな。
ニップルを締め付ける方向はホイールの内側から見ると逆方向。左回転になるので注意して行った。何周したか分かりやすいように、バルブを起点に行った。
スポークの増し締め後、ホイールのブレがないか、定規のような物を当ててチェックする。すると1箇所だけ0.5mmほどブレる箇所があった。
増し締めは均等に1/8回転ずつ行ったのではなく、適度な力を加えて回せたら1/8回転ずつ締め込んだ。何本か少し軽めに回ったので、少し緩んでいたかもしれない。このブレは、始め均等に締め付けなかったのが悪かったと思ってしまったのだが、よくよく考えてみると、この程度のブレでハンドルがグラグラと揺れる訳もなく、以前突風に吹かれて道路外に転落して前転した時のショックが原因だろうと思われた。
地面が砂地だったが、荷物を多めに積んでいたので、かなりの力が加わったように思える。ホイールのブレよりも、タイヤのブレの方が気になる。タイヤの組付けが悪くてかなりブレる。タイヤを取り付ける時は、均等にビードが出るように慎重に作業しているのだが、何度やってもきれいにビードが出ない。今後経験を積んでゆくことで、タイヤの組付けがマトモになってゆくだろう。今しばらくの時間が必要だ。
作業完了!
追い風が吹き始めて気が変わり、Geraldtonを出発することにしたのだが、慌てて各部取り付けビスの点検とブレーキパッドの調整を忘れてしまった!
バッグを取り付けて、荷物を載せてから気がついた。これまでキャリアのビスはほとんど緩んでいないのでたぶん大丈夫。他のビスもいいだろう。ブレーキパッドの調整はすぐにできるからヨシ。次のCarnarvonで忘れずにやることにしよう。途中でやる機会があれば、やってもいいし。
ということで次のCarnarvonに向けて出発!その前にスーパーで食料を買っておく。パンツの購入はまた今度。
Geraldtonにはバイクショップあり。自転車の送迎サービスもしているようす。
海岸のサイクリングロード沿いで自転車の整備をしていると、クロスバイクやファットバイクに乗った人の姿を結構見た。Geraldotonは海岸が近いためかファットバイクが人気があるようす。
外観だけを見てスーパーにゆく。
Woolworthsでお買い物♪
50km先のNorthamptonで食料の補給ができるため、玄米4kgと他少々のみ購入した。玄米だけは切らしたくない。追い風が吹いているため、この程度なら全然気にならない。
町の中心部から出ると、一気に交通量が減って走りやすくなる。
バイクレーンが広くていい感じ。追い風に乗って楽々走る。
Northmptonを過ぎると、Carnarvonまではロードハウスのみとなる。およそ5日の行程だ。追い風が続けば4日で行けるだろう。
Geraldtonでとる予定だった休養日は延期。次のCarnarvonでとる。最近、残業や休日出勤続きのようで、おっさんは非常に機嫌が悪い。早く休みをヤラないと、働かなくなってしまう。
町を出るとちらほら大型車を見かけるようになった。
気を引き締めて行こう。
ユニットハウスを載せたOver Size。どこまでゆくのだろう?
景気のいいロードハウス。次から次へと車が入っていく。
景気のいいところはいいし、悪いところは凄く悪い。ハッキリと明暗が分かれる。
海岸沿いにあって景色がいいので人気があるのか?
追い越し車線になると、現れる嫌らしい段差。
路肩が狭くなるので、非常に鬱陶しい。砂が路面に溜まらなくていいんだろうけど、もう少し路肩を広げたうえで段差を付けてもらいたい。
オーストラリアの車は、左の走行車線を走りたがる傾向にある。100km以上のスピードを出して走るため、対向車との正面衝突を恐れているようす。
ときどき、追い越し車もいないのに、なぜか距離を空けないで通ってゆく車がいてストレスが溜まる。
前輪スポークの増し締め効果がハッキリ現れて、時速30km以上の高速走行でもハンドルがぶれにくくなった。サーッと氷の上を滑るような感じで走って行って気持ちいい。先日、Perthで行なったハブの玉当たり調整も上手く決まって、回転が滑らかになったような気がする。いつもロックナットを締める時に、シャフトも回ってしまって、当たりがおかしくなる。ようやくロックナットの締付け方が分かった。それはシャフトが回転しないように、六角レンチを2本使うこと。1本は足で押さえておいて、慎重にロックナットを締める。ちょっとやりにくいが、何度もやり直しする必要がなくなった。
いやあ、調整が決まった自転車は本当に気持ちいい。新車当時の状態に戻ったような気がする?スピードはほとんど変わらないが、気持ちいいのでテンションを維持できる気がする。これまではなんだか気持ち悪くてテンションが下がり気味だった。気持ちいいというのは、自転車ではかなり重要。自転車は本当に繊細だな。
違いが分かる男と脳内でつぶやきながら、ニヤニヤして坂道を下って行った。
途中の集落の消防施設の影で昼食をとることにした。
追い風が強くて鬱陶しい。凄いわがままなおっさん。
自転車に乗るとわがままになるのではなく、本来の自分に戻るだけ。
チョコバーの本数を数えるおっさん。
ここぞという時に食べると、休憩無しで漕ぎ続けることができる。あと少しで町という時に有効。
地図を見ながら、今後の食料計画を立てる。
スピードの遅い自転車旅行にとって、食料計画は重要。適当だと持ちすぎか、切らす恐れがある。
やっぱり、この追い風で休むわけにはイカンよな!などと納得するおっさん。
道路脇の目印がなぎ倒されているのを見て、やはりミラーによる後方確認が重要だと知る。
ミラーがなければ、もうおっさんはこの世にいない。ミラーなしで走っている自転車を見ると、どうしてミラーなしで走れるのか不思議に思う。今回オーストラリアで、すれ違ったサイクリストの中で、ミラーなしの方が多い。
その後も追い風は吹き続けて楽々進む。すいすーい。
町まで5kmの表示。これを見ると毎回テンションが上がる。
町の入り口のインフォメーションベイ。
掲示板のようなもの。町の地図があって分かりやすい。
町へあと一息というときに休むのにピッタリ。これ見ている人を見たことは一度もない。
当初寄る予定だった、Natures Windowは寄らないことにした。雨の圏内から脱出するため、寄り道はなし。ここは一気に北上してしまう。
消耗することなく楽々Northamptonに到着!
やっぱり追い風は凄く楽。休まないで良かった。
町外れに立派な宿泊施設あり。日本の茅葺屋根を思い起こさせる重厚な屋根の造り。白壁に赤茶色の屋根が青空に映える。
ビジターセンターに寄って情報収集。めぼしい情報は手に入らず。羊さんのこのような写真が撮りたいのだが、いつもダッシュで逃げてしまうので、全く撮るチャンスがない。
こちらは教会の宿泊施設。今は一般客も泊めさせているようす。
ついガソリンスタンドを通り過ぎてしまった。引き返してガソリンを補給する。玄米を主食にするため、燃料切れを起こしたら大変。常時多めに持っておいた方がいい。そのためにも、予備ボトルは必要。軽量化したいなら、そもそも重たくて嵩張るガソリンストーブは使わない方がいい。
ガソリンスタンド併設のコンビニ内にカー用品コーナーあり。
どれもホコリを被っているが、充実した品揃えだ。
パーツクリーナー
各種ホースクランプもある。
キャリアのダボ穴が馬鹿になった時に有効と思われるホースクランプ。針金で縛るより、しっかり固定することができる。
町の床屋さん
やって来ましたIGA!
店の前には乱雑に積まれた持ち帰り用のダンボール箱あり。
店内のお酒コーナー。全く興味なし。
オーストラリアでは、基本的に酒はスーパーでは売っていない。販売は酒店のみ。
青いバナナ
田舎に来ると、なぜか青いバナナが置かれるようになる。少し早めに買っておいて寝かす必要あり。自転車にとっては不便だが、後半に温存しておくには便利。バナナは良い行動食になる。手軽に食べられて、美味しく、元気が出る。
買い出しの品。缶詰たくさん。あと適量。手持ちの食料を加えて5日分の食料。
スーパー隣の公園で水を汲む。
Dump Pointのすぐ近くにあった。
ペットボトル保護のために、かごの底にダンボール箱を敷く。
振動でペットボトルに穴が空かないための措置。以前はそのまま載せていた。
ペットボトルに穴が空いた場合、瞬間接着剤を塗って穴を塞ぎ、上から瞬間接着剤付きのビニールテープを貼ることで補修できる。穴が空いたのに気づかずに走って、水を大量に捨ててしまうかもしれない。オーストラリアのペットボトルは肉薄で頼りない。
今回、新たに1.25Lの炭酸水のペットボトル2本を追加する。以前Perth入りする前にペットボトルを何本か処分している。
炭酸水のペットボトルは肉厚となっていて丈夫なため、水をいれておくにはちょうどいい。しかし、1.25Lと中途半端。
自作のシルバーシート地の袋にいれてから、サドルしたのスペースにロープで縛った。面倒臭かったので、自転車カバーの上から縛ってみた。
パッキングは非常に繊細な作業。バランス良く積むためには、微妙な調整が必要。こういう時に話しかけられると、非常に素っ気なく答えてしまう。自転車は命が懸かっている(ちょっと大げさだが)ため、積み忘れがないか、量は十分か、何度も何度も確認する。
タイヤの空気圧もしっかり確認する。
今朝、スポークの増し締めをしておいて良かった。フロントだけで、水は7Lで缶詰13個に他いろいろある。おそらく20kgは超えているだろう。
搭載完了!
次は178km先のBillabong Roadhouseだ!
今回サドル下のスペースに積んで、リアのカゴに余裕ができた。
水は全部で15L。
ヨシ、行くぞ!
荷物満載状態の走行でも、ほとんどブレなく走ってくれる。
さすがはロングホールトラッカーと同じジオメトリーのディスクトラッカーだ!抜群に走行安定性がいい。選んで良かったディスクトラッカー♪
町外れにある距離の標識を見ると、自然と気合が入る。
さあ、もう止まることは許されない!走って走って走りまくるぞ。
町を出てすぐのところ、脇道に逸れていい感じの空き地を発見!
昨日の大雨にも関わらず、地面がジメジメしていない。ヨシ、ここに決まりだ!
Hwyのすぐ横のため非常に煩いが、ロードサイド野宿に慣れたので、耳栓をしていれば問題なし。
テント設営後、サドル下のペットボトルを直に金網に縛った。
シルバーシートが緩衝材になってくれて、ペットボトルが傷みにくくなるだろう。袋に入れたことで、いつの間にか脱落してしまう危険はなし。この位置は自転車の中心に近くて、リアキャリアのカゴの上に載せるより安定性がいい。
U字ロックをフレームに縛ったことで実現したペットボトル搭載。やったね!
ということで、今日は終始ご機嫌だったおっさんは、これからゆっくり眠るとしよう。