こんにちは。からあげです。
新車テストツーリング(2018年11月下旬~12月上旬)
7日目 弓ヶ浜海岸から黄金崎まで
伊豆半島に入ってからは、急なアップダウンの連続なのだが、不思議と体力を消耗していない。日が短くて距離を漕いでいないこともあるだろうが、荷物を満載しても大丈夫なような軽いギヤが大きいと思われる。
前のOJC4は急な上りに差し掛かると、立ち漕ぎを余儀なくされたが、今回のディスクトラッカーでは全くその必要はない。お尻が痛くならないように、あえて立ち漕ぎする時だけだ。
立ち漕ぎは思いのほか体力の消耗が激しく、できることならしたくない。しかし、軽いギヤがなければ、立ち漕ぎしなければならない。また押して歩くとなると、普通に歩くよりも体力を消耗する。速度が遅くとも、座って漕げた方がいい。これまで1万km以上走行して分かったことだった。
OJC4はロードバイクのコンポなので仕方あるまい。急な坂道の途中で軽いギヤがあと2枚くらい欲しいと何度思ったことか!
天気予報のとおり、夜になると結構な雨が降り始めた。
広い屋根のお陰で全く濡れることはなかった。
朝5時に起きると、まずはテントを撤収して荷物の整理を行う。
地元の人が早朝から来るやもしれず、その前に片付けておく。あまり好意に甘えている訳にはいかない。
雨は早いうちに止んでくれて、朝になると分厚い雲が徐々に晴れつつあった。
休憩所の端の方は雨が吹き込んで下が濡れていた。奥の方にテントを張っていて正解だった!
いつの間にかニャンコがちょこんと座って休んでいた。
早めにやって来て餌を待っているのだろう。
それともおっさんの見送るをするために、早起きしてやって来てくれたのだろうか?野良猫だというのに、栄養状態もよく丸々太っている。地元の人に可愛がられているのだろう。
準備を済ませると、7時ごろ休憩所を出発する。
この頃になると、ホテルや旅館から出て来た観光客らがカメラであちこち写真を撮っていた。
私も負けじと、弓ヶ浜を背景に記念撮影をする。
上空は部分的に雲が晴れてきて好天を予感させた。
ヨシ、出発だ!
弓ヶ浜漁港を出港する漁船。
ヨシ、いっちょ本気出して漕いでゆくか。
始めはフラットな道だったが、しばらくゆくとアップダウンが連続する厳しい山岳路になった。
急な坂道を上っている時に思うのが、絶妙なギア比だ。
今の自分に最適なギヤを選択できる喜び。以前は当たり前のように立ち漕ぎをしていたが、ディスクトラッカーに乗るようになってからは、ケツ痛防止にたまにやるくらいになった。
石廊崎の入り口に辿り着いた。
車は有料駐車場に停めて歩いてゆく。
自転車は通行禁止と表示されていないから、通っていいのだろう。
早朝で誰もいないのに、わざわざ置いてゆくことはしない。
急な坂道を上ると、工事中の建物があったので、その近くの柵に自転車を固定して歩いて進む。すると石室神社の鳥居が見えてきた。トイレはこの鳥居のところにある。
入り口の建物が完成したら、たぶんそこにもトイレが出来ているだろう。
しばらくゆくと石廊崎の灯台が見えてきた。入り口の門が閉まっっていて立ち入りは出来ず。
灯台を過ぎても先へと進んでゆく。この先に何が待っているのだろうか?
階段を降りてゆくと、岩場に張り付くようにして建てられている石室神社があった。
遠目で見るとこんな感じになる。
まるで山小屋の雰囲気。私はこういうところに住みたい。
そして入場料をとって生活する。ここなら、掃いて捨てるほど観光客が来る。
神社内のようす
屋根と壁付きで外界から遮断されている。
ここで来年のオーストラリア一周成功のお礼を言っておいた。
えっ、気が早いだって?いや、これでいい。
先にお礼を言っておくのがおっさん流。
神社からさらに先にゆくことができる。
先っぽの大岩にしめ縄が付けられている。
ここが石廊崎先端だ!
石廊崎先端から東の方を望む。
深い青色の海と断崖に打ち付ける波しぶきの白さが際立っている。
断崖を覗き見る。落ちたらまず助からない。
石廊崎に立ち景色を眺めていると、今回のテストツーリングは概ね成果を得られたことが分かった。そろそろ帰ろうか。
目的が達成できた今、ダラダラと走り続ける訳にはいかない。さっさと実家に帰って自分のやるべきことをやる。
風で曲がってしまった松。
少し葉っぱが枯れてしまっている。
潮風の影響だろう。
石廊崎を過ぎると、次から次へと上り坂が現れておっさんを苦しめる。しかし、絶妙なギアを装備したディスクトラッカーは、この程度の坂などものともしない。
おっさん爆進中だ!
道端にアロエだらけ。
少しくらい毟って行っても、誰も怒りはしないだろう。
ユウスゲ公園で記念撮影
ようこんなところまで上がって来たよ!自転車は全く見かけない。
展望台からの景色
いやあ、伊豆半島もなかなかいい。面白いところも結構ある。山に入ったら、一気に人気がなくなるのがいい。
観光地化された東岸に比べて西岸は静けさに包まれていておっさん好みだ。
牛の糞が落ちているのかと思ったら、軽石のような石だった。
火山性のものだろう。びっくりさせやがって!
ちっ、たった9%かよ!斜度15%くらいまでなら、座ったままで行けそう。おっさんが本気を出して立ち漕ぎしたら、どうなるか分かっているんだろうな?
おっさんなおも爆進中!
ひたすらマイペースで漕ぐ。それにしても12月だというのに異様なほどの暖かさ。Tシャツ1枚でも汗をかいてくる。
夕日の見える丘で昼休憩にする。
時々、観光客がやって来るが、気にせずラーメンを作って食べる。自転車だと休憩場所を選んでられないときがある。
それが今回。
下田のマックスバリューの袋ラーメンバラ売りコーナーで買ってきたサッポロ一番みそラーメン旨辛味を食べることにした。
うむ、名前の通りなかなかウマ辛いではないか!
気に入ったぞ!!
実は東京を出てしばらくしてからクランク周りに異音がしていた。始め気のせいかと思っていたら、湘南を過ぎて交通量が減って来たら、音が鳴っているのが分かった。
大都市圏内を走行している時には、車の音が煩すぎて全然聞こえなかった。しかし、何か違和感のようなものは感じていた。
しばらく様子をみていたのだが、次第に状況は悪化してきていた。神経を集中して場所を探していると、右ペダルから振動が伝わって来るのが分かった。
自転車は買ったばかりだし、クランク周りが緩んでくることはまずありえない。始めシフトワイヤーの調整がズレたのかと思っていた。よくよく考えてみたら、多摩川サイクリングロードを走っている時、しつこいくらいに段差舗装があったし、未舗装区間を走行したのを思い出した。きっとそのせいでペダルの取り付けボルトが緩んできたのだろう。
ペダルを取り外すには、15mmのスパナか6mmの六角レンチを使用する。手持ちの工具は6mmロングの六角レンチ。
しっかり穴に挿し込んでから、力を込めて回してみると、すんなり外れてくれた。
ネジ山とネジ穴のグリスをキレイに拭き取ったところ。
完全とは言えないが、出先ではまずまずと言ったところか。
再びグリスを塗って取り付けても、すぐに音がするようになると思ったので、ネジロック剤のロックタイトをたっぷり塗布してからキツめに締め付けた。
実家にたどり着けさえすれば、新規購入したペダルレンチで締め直すことができる。
今回は一時しのぎの処置となる。
ロックタイトを塗って締め付けてからは、一切音がしなくなった。
自分の勘が当たって嬉しかった。
PanasonicのOJC4で北海道・東北ツーリング中、クランク周りから異音が出るようになったが、原因はペダルの締付け不足だと思われる。弘前の自転車屋さんで見てもらったら、ペダルをペダルレンチで増し締めしたら、45度くらい締まるのが見えた。それを今脳内ssdからダウンロードして再生してみて気が付いた。
たぶん締め付け不足で音が鳴っていたのだろう。MKSのRMXは剛性不足で振動が分かりづらかった。
雨が降ってチェーンが濡れると、抵抗が減って負荷が軽くなり音がしなくなる。市街地に入ってからも音がしなくなるのは、郊外みたいに思いっきり踏またいためだ。
純正ペダルがトレランシューズのソールを痛めるので、痛めにくいペダルに交換したのだが、純正ペダルの取り外しは驚くほど軽かった。ネジ山に粘度の高いペースト状のシリコンのような物が塗布されていた。おそらく軽く締め付けた程度でも、音鳴りしないための物だろう。
岩部の棚田
伊豆半島ではわりかし有名なところらしい。
駐車場から狭い路地を自転車で下ってきた。自転車の特権だ!
周囲は田んぼだらけ。田んぼ1枚1枚には名札が取り付けられている。おそらく名札の主がお金を出してコメを育てて貰っているのだろう。収穫後に精米されたお米が届くようになっていると思われる。
それにしてもこの急な坂道。もう後戻りはできない。
我道を突き進むおっさん。
道は細くなり路面は苔に覆われるようになった。ここで自転車を降りなかったらやばかった。ブレーキを掛けてすっ転んでいたことだろう。
もう絶対後戻りはできない。いや、したくない。そんな気持ちで下っていった。いつになったら太い道に出るのか?
車は通り抜けできませんと表示してあったので、自転車なら楽に通れると思った。
行く手にはサワガニが歩いていた。
踏まないように気をつけて歩いた。
麓の集落に出た時には本当にホッとした。
途中で引き返すことになったらと思うとゾッとする。
国道136号線に出ると、ちょうど岩部バス停があった。
ツーリングマップルに寄ると、無料の温泉があるのだが、なんと通過してしまった!今さら戻りたくもないので、温泉に入らず進むことにした。
そういや、3日前だったっけ?温泉に入ったばかりだから、まだそんなに汚れていない。はず。
その後、さらに走って松崎町までやって来た。
再び雨が降り出した頃だった。
ディスクブレーキになってからは、効きが天気に左右されないので、あまり天気のことを気にしなくなった。すっごい楽。たぶんこれはしていい楽の方。人生のなかにはしてはいけない楽もあるので、注意が必要だ!
帆船の帆のような屋根の下で休憩する。
何とか美術館のトイレだったような。
ベンチに座ってホワイトチョコレートを食べる。
あんまり甘いものは好きではなかったのだが、去年PCTを歩いてからは食べるようになってしまった。
明治商家中瀬邸
所在地 静岡県賀茂郡松崎町松崎315-1
営業時間 9:00~17:00
営業日 なし(年中無休)
料金 大人 100円(中学生以下無料)
参考リンク 松崎町観光協会HP(明治商家中瀬邸)
松崎町はかつて養蚕で栄えた町だそうで、この立派な建物はかつての豪商の家。
たまたま通りがかったので入ってみた。入館料は驚きの100円。
そこら辺を歩いている観光客は、この家に目もくれず素通りしていった。お前らの目は節穴か?
玄関上がってすぐの帳場
立派な家具が置かれている。
分厚い帳面
誰それにいくら貸したのだとか書いてあるのか?いや、ここは金貸しではなかったな。
これらの反物を沼津方面に船で運んで売りさばいていたそうな。
すっごいキレイな反物だ。いい値が付いたことだろう。
蔵の分厚い扉
中には興味深い資料が展示されている。
扉の下のほうに付いている線は、昭和初期の水害で浸水した時に付いたものだそう。案内係のおばさまが説明してくれた。
それにしても分厚い扉だ。
呉服店の娘さん?
いやあ、凄いべっぴんさんではないか!これは広告なのかな?
立派な双眼鏡。おそらく明治時代のもの。
これ、いったいいくらしたんだよ?相当高価な品だと思われる。
長い廊下。窓のガラスは輸入品。歪みがあるところが粋。
なんと天窓まであるではないか!
船どこ造りと呼ばれる屋根。
手間とお金をふんだんに注ぎ込まれた意匠。
素人目にも凄いと分かる。いちおう自分で小屋建てたんで。
中庭のようす
今でこそぱっとしないが、当時は凄い庭だっただろう。そんな雰囲気がプンプンしてくる。
別棟は老朽化が激しくて取り壊されて、新しくなっていた。
そこに「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケで使われた道具が展示されていた。
セカチュウは見たことが一度もないドラマだが、名前くらいは知っていた。
当時、職場で知らないと言うと変人扱いされたことを思い出す。
この自転車は主人公が乗っていたものだとか。
別の案内係のおばさまがいたのだが、ここに来るのは年配の人ばかりで、知らない人が多いと言っていた。私はまだバリバリのおっさんだが、全く知らんかった。
松崎町内を走行する。
明治、大正と栄えた当時の面影は全くなし。
豪商の家に行くまで全く気が付かなかった。
ただの田舎町としか思えなかった。下田もそんな風に感じた。
マックスバリューでお買い物。
ここも1Fが駐車場となっていた。伊豆半島の駐車場は家電量販店方式が多い。自転車にとっては非常にありがたい。
夕暮れ間近にやって来たのは黄金崎。なんでも夕日を浴びると黄金色に輝くとか。
今日は雨が降ったり止んだりの天気でパッとしなかった。
しかし、夕日はちょっとだけ拝むことができた。
手前が馬ロックと呼ばれる馬に似た岩場。言われてみたら、そんな風に見えるかもという程度。景色はいい。
ちょうどいい軒下を見つけたので、今日はここで泊まることにした。天気予報では夜になって降りそうだった。
予報は当たって、日が沈んでから激しい雷雨となり、軒下で泊まれたことが幸運だったと思い知るのだった。暖気と寒気の摩擦で発生する雷の威力は凄い!
今回の下田ツーリングではなぜかこんなことが多い。
走行データ
走行距離 60km
ねぐら 黄金崎
おわり