雨天ツーリングの中の癒やし

こんにちは。からあげです。

 

現在、台風24号が接近中のためか、秋雨前線が刺激されて大雨が降っている。雨天走行は体が濡れて体力が消耗するし、緊張を強いられて神経も消耗する。加えて先日、雨天の下り坂のハードブレーキングでリムがガタガタになってからは、一層ブレーキの効きが悪くなっている。

交換したシューはドライ性能に特化したもので、雨でなければそこそこ効くが、雨に降られると一気に効かなくなる。さてどうしたものか?

旅が後半になった途端に、各種問題が噴出してきて、次から次へとおっさんを苦しめる。

昨晩泊まったのは、道の駅やまびこ館の隣の公園にあった屋根付きの屋外ステージ。風がほとんど吹かなかったので、雨が吹き込むことはなく、テントが濡れずに快適に過ごすことができた。

今朝は体がダルくてなかなか起きれなかった。目が覚めた瞬間、大きな雨音でやる気を削がれた。雨が小降りなうちに宮古まで行こうと思っていたが、甘かったようだ。

フロントライトは、キャリアのライトステーに取り付けているのだが、ここだとトンネルに出入りする度に自転車を停めて操作せねばならなくて非常に面倒だった。

トンネル出入り口の路肩が広いところばかりではなくて、操作の度に危険を感じることが多かった。それに括り付けている自転車カバーに隠れて、点いているのか分かりづらかった。

そもそも、ここにライト取り付け用のステーがあるのは、フロントバッグを付けられるようにするため。北海道を出てベアキャニスターが不要になってからでも、移動させずに使っていた。

元のハンドル位置にフロントライトを移設した。

ロングツーリングの時は、手元で操作できるようにハンドルに取り付けておいた方がいい。これでトンネルが連続する区間でも、いちいち止まらずにライトをオンオフすることができる。

ライトを点けたり消したりで、いちいち神経を消耗させたくない。

準備が整ったところで出発!

大粒の雨の中、自転車を走らせる。通勤ラッシュに加えて、工事関係の大型車両が多く神経を使った。それでも抜いていく時は距離を空けてくれるのでずいぶん助かる。

冷たい雨は容赦なくおっさんの体力を奪い取ってゆく。カッパは直ぐに浸水して体が濡れ始めた。

本日は閉伊川に沿って宮古まで緩やかな下りが続く。昨日に続いて若干の追い風となっている。昨日、盛岡から50kmほど走っておいたため、かなり楽をできる。宮古まではおよそ45km3時間もあれば着く距離だ。やはり完全休養せずに少しでも走っておいた方がいい。

盛岡〜宮古間では国道106号線の高規格化の工事が進んでいる。現在の国道と並行するように新しい道路が建設されている。そのため、朝から多くの大型車が通行する。

りんごの形のバス停で休憩する。
雨は弱まる気配は一向になし。

バス停内に自転車ごと入って休憩する。

カバンを開けてバナナを取り出して食べる。

何箇所か片側交互通行があった。交通整理の係りが自転車の扱いに慣れておらず、こちらがどう走ったらいいか分かりにくかった。

先日、車をやり過ごしてから侵入してゆくと、あとから車に追い越されて驚いた。最後に自転車が通るものとばかり思っていたが、地域によって違うようだった。それで今日は真っ先に侵入しようとすると、途中で停められた。こちらから先に言っていいか、聞くべきだった。

ブレーキに不安を抱えたままの雨天ツーリングは非常にストレスを感じる。緩やかな下りだったから、ほとんどノーブレーキで良かったものの、峠の狭い道の下り坂だったら、どうなっていたことやら。

冷たい雨で体が冷えるとともに、私のPanasonicランドナーへの愛着が急激に覚めつつある。雨天でブレーキの効かない自転車には、怖くて乗ってられない。またいつ雨が降るかと思うと、嫌になってくる。まだ東北だから自転車に優しい運転をしてくれるが、関東周辺は非常に厳しい運転をしてくるだろう。その分、自転車が気をつけなければならないのだが、ブレーキが効かないのでは話にならない。今後はできるだけ交通量の多い道、急な峠道を避けて小屋まで帰る必要があるだろう。

こんなことを考えていたら、失望とともに苛立ちが募ってきた。

 

ずぶ濡れになったころ、ようやく宮古の町に着いた。さっさとどこかで雨宿りしよう。このままでは風邪をひいてしまう。10年に一度しか風邪をひかないと自負するおっさんが簡単に風邪をひいていられるか!

JR宮古駅前にやって来た。

大きなロータリーがあって開放的な駅前だ。前回宮古にやって来たのは、2年前のみちのく潮風トレイルを歩いた時。あの時は、歩くのが精一杯で観光する余裕は全くなかった。港にある道の駅と町の中のスーパーに寄っただけだった。

駅前は小奇麗になっていたのだが、自転車を停めて雨宿りできる軒下はなかった。そこら辺の壁に自転車を立て掛けて停めて、少し歩き回ったのみ。とてもではないが、のんびり散歩する気にはなれなかった。

意外に利用客が多くて、人の出入りが多かった。

駅前のポストの上には、浄土ヶ浜の模型が設置されていた。

接着剤で付けただけのようだった。

JRの隣には三陸鉄道の宮古駅があった。

オレンジ色とクリーム色が基調となっている。こちらの駅は閑散としていて人の姿はほとんどなかった。

三陸鉄道は三陸鉄道リアス線に名称が変更されるらしい。

不通だった区間も整備されて来年の春開通するようだ。

駅前の案内板で見つけた市立図書館にやって来た。
建物の周囲に足場が組まれて外壁の工事中のようだった。今日は雨のため、工事はしていなかった。

入口の屋根の下の邪魔にならないところに自転車を停めさせてもらって中に入る。暖房は効いていないが、締め切った室内なのでかなり暖かった。

この雨では観光する気にもなれない。今日のねぐらは道の駅と早々と決めている。今日は無駄に移動しないで、安静にして心身を休めた方がいい。

20世紀少年を4巻の途中まで読んで終了とした。

2時間ほど休んでいたら、多少元気が出てきた。お腹が空いたので、どこかで何か食べたい。

宮古の市街地を抜けて港の方に向かっているところ。

そういえば、盛岡を出て宮古が近づいてきたら、周囲の車の運転がより一層優しくなったような気がする。こっちが申し訳ないくらいに思うほど、距離を離してくれたり、通過するのを待っていてくれたりする。ブレーキの効かない走行で神経をすり減らしていた私は、その優しさに心を癒やされていった。さりげない気遣いが心に沁みる。遠い日本の故郷に帰ってきたようにさえ思える。

市役所前の横断歩道上から港方面を望む。

2年前と比べて町がサッパリしているように見える。以前はまだあちこちに瓦礫が残されていた。

横断歩道上から津波浸水ラインを眺める。

横断歩道上のすぐ下まで、津波で浸水したようだ。

宮古市役所

ひときわ目立つ大きな建物が市役所だ。ここも津波で被害を受けていた。

屋根付きの駐輪場に自転車を停めて市役所に入る。
市役所にやって来たのは、食堂でお昼を食べようと思ったから。しかし、宮古の市役所には食堂はなかった。それほど大きな町ではないので当たり前か。

正面入口から中に入ると、大きな玄関ホールがあって、周囲は小奇麗に片付けられていた。
もうハッキリとした震災の被害は見受けられない。

壁には津波で止まった壁掛け時計と浸水ラインがあった。

時計は止まった時間そのままだった。

その後、スーパーに寄って弁当とカップラーメンを買って食べる。冷たい雨が降る日には、温かいカップラーメンを食べるに限る。おまけに300円の日替わり弁当を付けた。

港に向かう途中、記憶にハッキリと残っているアパートの前を通りがかった。津波で1階部分が流されたようだが、流された一階を駐車場として、2階をそのままアパートして使用されていた。

錆びたむき出しの鉄骨が生々しい。

小高い丘の上にある建物。これは津波の被害を免れた建物。
ここもハッキリと記憶に残っている。周囲はまだ工事の真っ盛りで、あちこち重機が走り回っていた。

港には高い防潮堤が建設されている途中だった。
確か2年前は型枠を製作しているところだったような気がする。高さは10mはあると思われる高い防潮堤ができていた。

今日のねぐらはここ、宮古の道の駅。
2年前に来た時は晴れていたので、近くの岸壁でテントを張って泊まった。今回は大雨なので、迷わず休憩室を利用させてもらう。

道の駅の建物にも、津波浸水ラインが表示されている。
2Fの床上まで浸水したようだった。

これがトイレ兼休憩室。
トラックの運転手がよく立ち寄る場所だ。私が着た時も、結構な数のトラックやダンプカーが泊まっていた。

この休憩室は何が凄いかっていうと、カウンターテーブルしかなくて広い部屋となっているだけ。下はタイル張りとなっている。

これが休憩室だ!ここでどう休憩しろと?車で来た人たちはそう思うかもしれない。しかし、自転車や徒歩にとっては貴重な休憩スポットとなっている。こんな快適なところが、なんと24時間開放されている。

この休憩室を活かせるのは、現在道の駅にいる人間では私しかいない。少し早いが、シートを敷いて横にならせてもらう。

今日はマットなし。自転車からカバンを外して中に持ち込んだ。自転車はカバーを掛けて、階段下のスペースに停めておいた。

休憩室から見た岸壁のようす

船の往来はほとんどなし。先ほどまでカッパを着て釣りをしていた人たちは引き上げたようだった。こんな冷たい雨が降る中、よく釣りをするもんだ!

久しぶりにうみねこのなく頃にをプレイする。
ストーリーも後半に入って6話目となった。8話で完結なのだが、実は6話目までしか持っていない。ストリーム版を購入してダウンロードしてもいいのだが、最近のものは絵が現代風になっていてどうも好かない。なんというか、登場人物の区別が付きにくい。昔の絵の方が味があっていいのだが。どうして変えてしまったのだろう?

カウンターの上に置かれていたマットを借りて下に敷いたら凄く暖かくて快適に寝られるようになった。これなら安眠間違いなしだ。

ただ、この部屋はセンサーでライトが点くため、人が入って来ると起こされる恐れがある。トイレの隣にあるので、間違って入って来る人がたまにいる。だからアイマスクは必要だ。

 

ああ、これからブレーキの効かない自転車でどう帰って行ったらいいか考えていると頭が痛くなって来る。安全を最優先させると、寄り道せずにまっすぐ帰る。ただそれだとツマラナイ。雨でなければ、そこそこブレーキは効くので、雨の日はなるべく走らないようにしてゆこうか。

今台風が接近中で、どこでやり過ごそうか考えているが、まだ3日も先のことなので、全然いい考えが浮かばない。橋の下でもバス停でも見つけたところに逃げ込むことになるんだろう。

 

おわり

コメント

  1. 山びと源 より:

    チャリで、雨の日に走る意味がわからないな~ww
    時間的制約やブログが有るためかもしれないが、ツーリングは修行じゃないと思うけど!?
    それから、サイクリングは、100キロ走行で、2~3000キロカロリーを消費するので、基礎代謝を含めて、普段の2倍以上は、食べないとパワーが生まれてこないんじゃないか?
    流石に寒くなって来たので、もう帰還しているだろうけど?

  2. べこ介 より:

    御無沙汰しております。
    失礼ながら長期間隊長のブログを
    拝見していなかったのですが、
    久方ぶりに訪問してみたら
    私も趣味としている自転車でツーリングして
    いらっしゃったので驚きと興奮を禁じえません(笑)

    しかしながらブレーキ問題は深刻ですね。
    私の今のメインはシクロクロスで、
    流行りのディスクブレーキ搭載車を
    店長に薦められるまま購入しましたが
    悪天候下でその恩恵を体感しました。
    ですので隊長のストレスと恐怖はお察しします。
    どうかご無事で完遂する事をお祈りいたします。

    ちなみに私はグラベルロードに心惹かれてます。
    隊長も候補に如何ですか?(笑)

    • karaage より:

      購入当時の私には適切なアドバイザーがいませんでした。
      仕方がありません。
      乗ってみて始めて分かりました。

      実はですね、ツーリングバイク以外にロードバイクも欲しいなって思っています。
      純粋に速く走って楽しみたいと。