快適さより楽しさを求めて雨の中飛び出す!!

こんにちは。からあげです。

 

昨日は初めて屈足(くったり)にある無料のライダーハウスに泊まった。現在、台風から変わった温帯低気圧、続いてやって来る台風が接近中で、雨を避けるために逃げ込んだ。

やはり想像した通り、私にはライハの雰囲気は合わなかった。何がどう合わなかったかは書かない。例えていうと、山で避難小屋に泊まったら、ツアーの団体客がやって来て、居心地の悪い思いをしたという感じかな。

昨夜耳栓とアイマスクをして眠ったのだが、酔っぱらいのいびきが煩くて、一度起きたら気になってなかなか眠れなくなってしまった。

いびきをかくのは本人は無意識で悪気はないが、筋力が不足して姿勢が悪くなっているからいびきをかく。そう、好き放題な不摂生な生活をしているからだ。私は歳だからと言い訳にする奴は嫌いだ。若いころ、おっさん連中の言い訳、愚痴を聞いていて嫌になった。

お前も歳を取れば、わしの言うことが分かるよ!

はぁ?全然分からん。すでにお前らと同じ歳だが、まだそれほど体にガタは来ていない。要するに自己管理ができていないだけだ。風邪を理由に仕事や学校を休む奴も大嫌いだった。えっ?風邪は誰でもひくだと?いや、そんなことはない。私は10年に1回くらいしかひきませんが。

建物を抜け出して隣の焼き肉ハウスで朝食を作る。
今日は朝から大雨となっていた。外のようすを一目見ただけで延泊しようかなと思った。

屈足のライダーハウスは連泊禁止のルールなのだが、この雨では新たに泊まりに来るライダーはいないだろう。もう1泊くらいしても問題ない。そう自分に言い訳をし始めたのだった。

キーマカレーと味噌汁

朝から不機嫌だったのは、すぐさま連泊を決めた自分のやる気のなさと、あっさりと他人にお金を貸した自分のお人好しが嫌になったから。朝飯を食べながら自己嫌悪に陥る。

3万円といえば、私の1月分の生活費であり、時給800円だと、およそ37時間分の労働に匹敵する。自分の人を見る目は信じたいが、すっかり騙されている可能性も否定できない。両親の声もやけに若かったような気がする。(単に私がおっさんになっただけ)しかし、純粋な若者を疑う自分に嫌気がさしてますます苛立ちを募らせていくのだった。

彼の日焼けは本物だった。間違いない。来る日も来る日も自転車を漕いでいなければ、あれほどまで黒くならない。

食事をしながら、出発しようか、止めようか散々悩んだ。
苛立ちを抱えたままもう一晩泊まるのはゴメンだ。しかし、大雨のなか走るのも辛い。

悩むということは出発したい気持ちがあるからだ。それがなければ、悩むことは一切ないだろう。スッパリと延泊を決めてゴロゴロしていればいい。

ゴロゴロしながら「うみねこのなく頃に」をプレイしていると、自分の気持ちに嘘を吐けなくなってきた。もうここを出よう!

軒下でカバンを取り付けて出発準備を終える。
もう後戻りはできないし、したくはない。

私は自分の意思でここを出てゆくのだ!

無難な安定を求めるより、より良いより刺激的なねぐらを求めて旅立ちたい!

いびきや酔っぱらいのウダウダ話なんて聞きたくない。

雨の中飛び出して、まず始めにやって来たのは郵便局。
ATMで現金5万円を下ろした。

昨日、3万円を貸したため、手持ちの現金は3,000円ほどだった。これだと何かがあったら、直ぐにピンチになる恐れがある。

最近自転車に乗るようになって、ますます一般人の冷たい視線を感じるようになった。こんな平日の真っ昼間から自転車に乗って何しているの?というような目で見られている気がする。ぱっと見、私の外見はホームレスとほとんど変わらない。そんな私が財布を落として無一文になったら、どんなことになってしまうのか?私の信用を保障するのは、現金しかないと分かると、憂鬱な気分になったのだった。人間肩書を失うと、人と人との繋がりが重要となってくる。

社外との繋がりを持たずに仕事一筋で働いてきた猛烈サラリーマンが定年退職をしたと同時に味わう絶望感に似ているかもしれない。

そう言えば、腹が減ったな。朝飯を食べてからなんにも食べていない。そろそろお昼近くになる。昨日買っておいたパンをムシャムシャと食べる。

本日の目的地は帯広。
まっとうな野宿者が一晩休めるだけの場所は見つかることだろう。二個目の台風が来ているため、今回の天気の回復も遅い。明日になってようやく雨が上がる感じだ。

屈足から道道75号線を通って帯広に向かう。屈足の町を出ようとするころ、ライダーハウスの方からやって来た兄ちゃんが横道から出てきた。さっき出る時、自分もこれから準備をしようとか言っていたが、こんな早く出てくるとは思わなかった。

しばらく気づかれないようにして彼の走りを観察する。なんでも彼は最高一日で190kmを走ったことがあるという。しかも次の日も120km以上は走ったという。どこにそんなパワーが眠っているのか気になってしまった。

その後、気づかれたため、いろいろ話しながら一緒に走ったのだが、彼のスピードは一定しない。それもそのはずギヤチェンジを一切しないのだ!彼はギヤチェンジしないという決まりを設けて走っているそうな。ただし、乗鞍スカイラインを上った時だけは変速したらしい。なぜ、そんなことをするのか?

まだ軽いギヤがあると思うと、気持ちに余裕が出て頑張れる。少しキツくなったからと言って安易に変速したくない。

というようなことを言っていた。
単に日本一周するだけではなく、自分で決めた過酷なルールを守ってゲームの縛りプレイのような感じで自転車に乗っていたのだった!

私の場合は、宿に泊まらずに野宿で行うことかな?乏しい懐というやむにやまれぬ事情から行っているのだが、野宿はやりだすと癖になる。野宿のスキルを身につけると、どこでも我が家となる。

そう言えば、彼はレッドブルが主催するヨーロッパ2,000kmをレッドブル24本だけで7日間以内にゴールするという、ちょっと変なレースに参加したとも言っていた。3人一組のチームで、スタート時にスマホと現金を没収されて、衣食住の基本装備を入れたバックパックのみ担いでゴールに向かうのだそう。途中、チェックポイントを通過する毎に、3人にレッドブル24本が与えられるという。そのレッドブルだけでゴールを目指さないとイケない。不慣れな英語や身振り手振りを駆使して、ヒッチハイクしたり、一夜の宿を求めたりして進んで行ったのだとか。

そんな彼は現在大学3年生で、一年生の頃から50日ずつ区切って日本一周をしているという。今回は3回目で最終回となる。今後の予定では、あと20日くらいで自宅に戻り日本一周を達成できるという。北海道もあと残すところ僅かになって、財布を紛失するという大失態をやらかしてしまった。人間気が緩むと時としてありえないことをする。

彼とは1時間ほど一緒に走って途中で別れた。

帯広方面に向かっていると、次第に雨は小降りとなって随分と走りやすくなった。ちょうどその頃、トイレ付きの墓地を通りがかったので、寄って休むことにした。

こんな雨の日に墓参りに来る人などはいない。広大な墓地のトイレの絶妙な軒下でヘルメットを外して休む。ふぅ〜、これで雨の峠は越えたな。

十勝川に架かるすずらん大橋を渡る。

この橋を渡れば、帯広の中心部まであと少しだ。

橋の上で記念撮影する。

川はかなり増水して、橋の下は水溜りができていた。この橋の下では野宿は厳しいか。

公園の噴水で戯れるおっさん

意外に楽しい噴水乗り入れ。雨天走行で汚れた自転車を洗車することができる。どうせ雨でずぶ濡れになっていたため、噴水を浴びようとも問題なし。

子供が見ると真似をするかもしれないので、分別のある大人はこっそり楽しもう。

JR帯広駅にやって来た。
ずぶ濡れのため、外で記念撮影したのみ。軒下がなくて休憩できない極悪仕様の駅。

駅前にあった変な現代アート。

うぉ〜金をくれ!

題して「欲望に身を焦がす人間たち。」

帯広駅の南口近くに新しくできた図書館がある。
館内を覗くと、最新の設備が整っている。広い館内には多くの本が収められておりワクワクしてくる。

まずは屋根付きの駐輪場に自転車を停めてカッパを脱ぐ。
ここの駐輪金具はかなり丈夫で、荷物を満載したランドナーを載せてもビクともしなかった。

しっかりと壁に立て掛けて、前輪のスポークに負荷が掛からないようにした。

ようし、飯でも食いに行くか!
雨に濡れないように、できるだけ屋根の下を歩く。

帯広といえば、豚丼にジンギスカンが有名?

以前、仲良くなったサイクリストに平和園のジンギスカンが安くて美味いと聞いていたため、この機会に行ってみることにした。

雨でスマホが湿気てコンパスの精度が悪くて探すのに手間取った。真っ直ぐ駅から歩けば、5分くらいの距離にある。

ジンギスカン定食、ライス大盛り、ジンギスカン単品1つ頼んだ。これでしめて980円。

自転車に乗るようになって、なんだか無性に肉が食べたくなった。肉体が若返っているのか?(そこの奥さん、ダイエットには自転車がいいですよ!)

定食と単品の肉が一緒に盛られている。野菜は玉ねぎ1つのみ。

あとは漬物が少し付いてくる。今は野菜が高いんだ!あまりワガママを言わないように。

ジュージューと焦げる肉が食欲を唆る。
焼いては食べ、焼いては食べを繰り返していたら、あっという間に平らげてしまった。

ああ、全然足りない!

これだから無駄に大食いのおっさんは困るんだ。

どうもごちそうさまでした!ああ、美味かった。

食後のあとは、図書館に戻ってパソコン持ち込みルームでブログ更新作業を行う。スマホにキーボードとマウスを繋げば、立派なパソコンだ。耳栓をして集中して一気に書き上げようとした。

ところが、途中で閉館時間となり、作業を止めて図書館をあとにした。

図書館を出ると、すでに雨が上がっていた。

干していたカッパと靴を片付けて出発する。
ねぐらに向かう前にセコマで買い物をしてゆく。

時間は6時を過ぎて、周囲は暗くなり始めている。ねぐらに向かうのに絶好の時間だ。早すぎると目立つし、暗くなってからだと分かりくくなる。

やって来たのは、噴水のある公園。
予定では橋の下に向かうつもりだったが、雨が上がっていたため、予定を変更して公園にやって来た。

中央入口入ってすぐのところに大きな東屋がある。

ここが良いと思うのは素人。前面の道路からでも見える場所で、おかしな人間に絡まれる恐れがある。

奥の方の東屋で泊まる。ここなら目立たない。

椅子とテーブルは固定式のため、東屋の下ではテントを張れない。いつものようにテーブルの上にマットとシートを敷いて、寝袋のみで眠る。テーブルは面積が広くて高い位置にあるため、雨に濡れにくい。長年の野宿で培った経験がここに活かされている!

ジンギスカンで意外に腹が膨れたため、夕飯はラーメンを作って食べた。ラーメンは短時間に調理できていい。

ライトアップされる噴水

 

雨は上がって天気は回復傾向。明日は晴れ間が覗きそうだ。朝早く起きて公園を出発して、適当に帯広の町をウロウロしてから南に向かう。今日は屈足から帯広まで走ったため、随分と余裕ができた。明後日襟裳岬を抜ける予定。

さあて、寒くなってきたから、寝袋を準備して寝ようか。

 

おわり

コメント

  1. 佐藤隆志 より:

    はじめましてからあげ隊長さん。

    つい最近からあげ隊長のブログを知りました。

    MSRのドラゴンフライのメンテナンスの記事からでした。

    私は今年43になる埼玉のおっさんです。

    私も15年程前に仕事をやめて4ヶ月程オフロードバイクで(自転車ではありませんが)北海道をうろうろをしていました。

    隊長の記事で昔行った所が出ていたりするので興味深く拝見させていただいています。

    文章も上手で自分に嘘がつけないところがとても魅力的なブログだと思います。

    台風が近づいたり、今年の北海道は天気が悪くていろいろとご苦労もあると思いますがケガ、事故には気をつけて自分の旅を楽しんで下さい!

    影ながら応援しております。

    • karaage より:

      初めまして、どうもありがとうございます。

      もう少し丸めて書いたらいいのですが、あまりにバカ正直に書くため、一部の人に反感を買ってしまっています。

      今年の北海道は散々でしたが、本州に渡って気分を変えて行きたいところです。早めに戻るとまだ暑いので、もう少し北海道にいてゆっくり南下してゆきます。

  2. 山びと源 より:

    おっと、平和園のジンギスカンじゃないか!
    平和園のジンギスカンは、庶民が行くところだから、最近は行ってないな~ww
    去年は、西帯広の有楽町に、散々行ったけど、1000円チョイでお腹いっぱいだよ!
    有楽町は、庶民食堂だから、安くて旨くて最高だな~ww
    爺さんになってから、食べに行って下さい。
    チャリダーなのに、大正カニの家に行かなかったんだね!

    • karaage より:

      自転車に乗るようになってからは、無性に肉を食べたくなります。
      たぶん、肉体が若返っているんだと思います。以前は鶏肉をたまに食べるだけで満足でした。

      カニの家は帯広から近すぎるし、晴れていたので、泊まりませんでした。