主の帰還

こんにちは。からあげです。

 

本日、4ヶ月間の北海道・東北のロングツーリングを終えて無事小屋に戻ってきた。本当に長い長い旅だった。本州に渡ってからは、毎日ねぐらを探すのにいい加減嫌気が差していた。

旅が長期になると、始めのころの新鮮さは薄れて、惰性で旅を続けるようになってしまう。気がつくと、いたずらに時間だけ浪費する無目的な旅となっていた。

 

当初の自転車に慣れるという目的は達成した。自転車を乗り始めてからの走行距離が、きりのよい10,000kmを突破したことだし、あとは各種トラブルの分析を行う重要な作業が待っている。いつまでもブラブラとしているわけにはいかない。

しっかりと分析しなければ、また同じ失敗を繰り返すことになる。せっかくの経験を活かせなければ、人生の貴重な時間を無駄にすることに繋がる。そんなことはしたくない!

 

今日は小屋までの短い距離なので、ゆっくり目に起きて準備して出発した。見慣れた景色の中を走るのは、逆に新鮮に感じる。

空模様は朝から曇で、夜から雨が降るような予報となっている。そんなに急ぐ必要はないが、小屋に戻るとやらなければならないことがたくさん待っている。半年放っておいた小屋は雑草に埋もれていることだろう。小屋の中だって虫の死骸だらけで掃除が大変だ。

のんびりとしかし確実に距離を詰めて小屋に向かう。

途中、河川敷の公園に寄って朝食を作って食べる。出発時にはパンしか食べていないため、しっかりした食事をとりたい。とは言っても、いつものレトルトカレーに味噌汁なのだが。

完成です!

うぁ〜美味しそうだな!なんだか今日は気分が晴れやか。
もうねぐら探しをしなくていいと思うと嬉しくなってくる。

小屋はどうなっているんだろうな?

旅の最中は、ほとんど小屋のことを考えなかったが、帰ることに決めてからは、急に気になり始めたのだった。

まあ、気にしたところで、何も変わらないのだが。

食事を済ませて体にエネルギーが満ちたところで、小屋に向かって出発する!本当に最後の最後だ。

その前に記念撮影。周囲の山々には分厚い雲がかかっている。これは早い時間に雨が来るな。

途中でホームセンターに寄ってパーツクリーナーを購入する。ロング缶で300円も出せばお釣りがくる。しかし、どうにかならんもんか、このバカでかい缶。再利用できたらいいのに。

中に洗浄液を充填して空気入れで空気を入れて使えないものか?誰かそういうボンベを開発して欲しい。こうも使い捨てのボンベを使っていると罪悪感がある。

さらにスーパーに寄って食料を購入しておく。しばらく小屋に引きこもるため、数日分の食料は確保しておきたい。小屋に帰れば、床下にたくさんの玄米があるので、そんなに気にしなくてもいい。

今日は微妙に蒸し暑く、少し漕いだだけで汗をかいてしまった。ガリガリ君を食べてクールダウンする。

おっさん、もっとクールになれ!

小屋は山の中腹にあって、帰り道はかなり頑張って漕ねばならない。
一番軽いギヤにして立ちこぎをして坂道を上る。行きはいいのだが、帰りはいつも大変な思いをする。

そんな我が家だが、自分で建てた小屋は非常に愛着がある。土地探しだって結構手間取った。だから嫌いになれるはずはないのだ!

久しぶりに小屋に帰ってくる時は毎回ドキドキする。
倒木で小屋が潰れていないだろうかとか、変なおっさんが住み着いていないだろうかなどを考えてしまう。去年はジムニーのタイヤ(スタッドレスタイヤを含めた全てのタイヤ)をパンクさせられる事件があった。

犯人に告ぐ!
こんにちは。からあげです。 昨晩は空港で泊まり、始発電車に乗って戻ってきた。 途中で松屋に寄り朝食を食べる。 ご飯特盛りでちょうど500円。アメリカ帰りだと安く感じでしまう。 高速バス停から小屋まで歩いて3時間。 ようやく辿り着いた。もうへ

 

自転車を押しながら入ってゆく。

ただいま!今帰ったぞ!!

呼びかけても返事はなし。ただの小屋のようだ。

それにしても酷い草だな。いや、半年放置してもこれくらいと喜んだ方がいいのか?

草ボーボーのフラットなスペースに自転車を停めて外観を確認する。ここは以前、ジムニーを停めていた場所で、現在はアウトドア道具のテストスペースとなっている。

外を一周りしてみたが、特に異常はなし。変なおっさんは住み着いていない。

なんだ、この植物は?毒々しい色のぶどうのような実が付いている。ここはトイレに行く時の通り道だ!おっさんの邪魔をするんじゃない。

少し気になっていた小屋の南側のブルーシートタープだが、紫外線による経年劣化が見られるものの、まだ機能を維持していた。

ポストを開けてみると空っぽだった!郵便局に転居届を出して郵便物は実家に転送されるようになっている。

小屋と実家を行ったり来たりする度に転居届を出しているのだが、頻繁に出しているので訳が分からなくなることがある。どっちだっけ?

 

よし、それでは鍵を開けて中に入ろう。ええっと、鍵はどこだったかな?半年前のためどこに隠したか思い出せない。あちこち探してようやく見つけた。その日の気分で毎回違う場所に隠すから、どこか分からなくなる。鍵が見つからなかったら、窓のプラダンを破って中に入ればいいだけなので、特に気にしていないのだが。

小屋の中に入ると、意外にキレイでホッとした。
南側のブルーシートタープは外してあるので、小屋の中は明るい。タープをしたままだと、天気のいい日でもかなり薄暗くなる。やっぱり、ブルーシートではなく、ちゃんとした屋根を付けた方が良さそうだな。

まあ、気が向いたら工事するかな。たぶんやらないけど。

 

床の上には一面に埃と虫の死骸が転がっていた。それにしても何か匂う。そう、奴だ!カメムシの野郎だ!!

ロフトのようす

エアマットと寝袋に薄っすらとカビが生えていて、寝袋を退けるとたくさんのカメムシが出てきた。

野郎、こんなところに隠れていやがったか!このあと、濡れ雑巾と100均のミニほうきで小屋の中を掃除した。出てくる出てくるカメムシが。いったい何匹つまみ出したことだろう。出しても出しても次から次へと出てくる。まあいつものことだ。

あまりカメムシばかりに付き合っていられない。とにかく過ごしやすいように最低限の環境を整える必要がある。

鎌で玄関前の草を刈り取る。

ざっと刈ったところで、水道周りのようすをみにゆく。
おっとそうだった。さっき、バケツに水を汲みに行ったところだった。

人が歩かないと、草が生えてくるな。

水道周りは意外に普通だった。日当たりのよい場所なのに、それほど草が生えていない。ざっと鎌で草刈りを行っておいた。

草に埋もれる小屋。
隣の土地が伐採されたため、日当たりが良くなって草が伸びやすくなった。

その代わりにソーラーパネルで発電しやすくなった!もう電気不足で困ることはなくなるだろう。

飽きっぽいおっさんは、外回りの草刈りをしたり、小屋の中の掃除をしたりと交互に行う。

ウエストバッグの中に入れていた牛革製の財布を取り出すと、カビがびっしりと生えていた。そうだよな、こんな山林の中の締め切った小屋の中ではカビも生えるだろう。しかし、壁にはカビは生えておらず。

今回は、多少マシになるだろうと、あちこちの窓を少しだけ開けておいた。カビが生えなかった代わりに虫の死骸が凄いことになっていた。結局、締め切ってカビが生えるか、少し開けておいて虫が入るかの2択を迫られる。いちいち開口部にネットを付けていられない。

小屋の中の温度計を見ると、最低気温が0℃、最高気温が39℃となっている。小屋を出たのが確か4月中旬だったような。あれからかなり気温が下がったのか。最高気温は39℃と高めなのが気になる。隣がキレイに伐採されて日当たりが良くなったため、小屋の中の温度が上昇するようになったのだろう。

これは換気扇を回した方が良さそうだ。以前、車中泊に使っていたDC12V仕様の扇風機がある。タイマースイッチを使えば、1日おきに2時間だけ回すということも可能。

ただ、問題なのは雨の日にも回ってしまうこと。晴れの日だけ回るように設定できないものか?バッテリーに不要な負荷を掛けないで済むし、外の湿気を取り込まないで済む。

床下収納庫を開けて見ると、ダンボールの中に入れておいたじゃがいもが芽を出して育っていた。

日の当たらない床下でもじゃがいもは育つ。勉強になった。
すっかり忘れていたな!勿体ないことをした。

次回は忘れないようにしよう。

お腹が空いたので、ラーメンを作って食べることにした。
普段はアルミコッヘルのフタをまな板代わりにして切っていたのだが、今日はちゃんとしたまな板の上で切れる。作業が捗る捗る。

自分の家だと好き勝手できるのがいい。

ロケットストーブを稼働させるのは、少なくとも今日は無理。ツーリング中に使っていたカセットボンベ仕様のガスストーブで調理する。風が吹かない小屋の中なので、風防を使わないで済むのがいい。

具沢山のカレーうどんの完成!

いやあ、腹が減った時の飯は美味いね。

食後のあと、少しゆっくりしてから、作業を再開する。
玄関周りの草刈りが終わったら、通り道の草刈りを行う。

うむ、だいぶサッパリしたな。あまり根を詰めずにのんびりやろうか。

おっとイケない!トイレの復旧作業を忘れていた。

中に側溝のフタを置いてあった。中は異常なし。目隠しのシルバーシートも目立った傷みはなし。長期留守の時は外そうと思ったが、いちいち面倒臭いのでやっていない。よくよく考えてみると、付け外しするほうが痛むかもしれない。張りっぱなしにして、穴が空いたらガムテで補修するスタイルにしようか。そっちの方が楽でいい。

雨が降りそうなので、小屋の周りの落ち葉を片付けておく。

落ち葉を放置しておくと、水を吸っていつまでもジメジメする。
植物にはいい環境なのだが、小屋と人間にとっては厳しい環境となる。毛先がチビてきた竹箒で掃除した。

小屋に戻ってきたら安心したのか、どっと疲れが出てきた。ちょうど雨が降ってきたこともあり、作業を止めて昼寝することにした。

小屋だといつでも寝られるのも良い。出先では常に横になれるとは限らず、疲れているのに自転車を漕がねばならない時もある。

起きたらすでに周囲は暗くなっていた。2時間ほど寝たら、随分体が楽になった。

自転車は小屋の中に入れて壁に立て掛けてある。今日は疲れていたし、草に埋もれていてスペースが確保できないため、自転車の整備は行わなかった。早いうちにチェーンの洗浄をしてキレイに洗車しておきたい。

 

さあて、今日はこれで止めてそろそろ寝よう。明日は眠たくなくなるまで寝まくる予定。雨は昼近くまで残るみたいだし、ゴロゴロしながら雨が止むのを待つとしよう。

 

おわり

コメント

  1. なおまま より:

    隊長、お疲れ様でした。
    ああ、楽しかった!
    私たち読者も毎日一緒に旅をして、一緒に帰り着いてほっとしたような気分になっています。
    食事も睡眠も十分でない中で連日100km自転車で移動し、写真を撮り詳細な文章を書き、これはすごいことです。
    十分に休養してください。
    …って時差があるからもう次の活動をされているのかな。

    • karaage より:

      どうもありがとうございます!

      今は何をしているのか?そんなことを想像してみるのも、このブログの楽しみになるかもしれません。

  2. より:

    おかえりなさい